普段の生活でお馴染みの石鹸を素材に、さまざまなモチーフを表現する石鹸アート。表現の幅は広く、これが石鹸とは思えないような素晴らしい作品を目にすることができます。

 石鹸アート作家「透明観測所」さんは、その名の通り透明感あふれる宝石石鹸作りを得意としていますが、そのほかにも本物そっくりのスイーツ石鹸や、断面に風景画を描く石鹸も作っています。

 一般社団法人ハンドメイト石けん協会認定講師ジュニアソーパーの肩書きを持つ透明観測所さん。作家活動だけでなく、石鹸作りのレッスンやワークショップも開催し、底辺を広げる活動もしています。

 石鹸アートとの出会いは、書店で偶然宝石石鹸の本を目にし、表紙に一目惚れしたことがきっかけだったとのこと。この時体験キットで初めて透明な石鹸を作り、石鹸作りへの興味が増して現在へと至るそうです。

 ミルフィーユやショートケーキといったスイーツ石鹸は、液体状にした石鹸を実際のお菓子作りと同じように泡だて、型に入れて冷やすことで形を作っているのだとか。泡立てることで、ケーキのスポンジ部分と同じような質感が出てくるのですね。

 ホイップクリームの部分も絞り袋と口金を使い、実際のケーキデコレーションと同じ要領で絞っているとのこと。「本当にお菓子作りをしているような感覚に近いです」と語ってくれました。

 トッピングのフルーツなどは、粘土状に柔らかくした石鹸を使い、形を作っていきます。この部分は、樹脂粘土でフェイクフードを作る感覚に近いかもしれませんね。

 断面に風景画を描く風景画石鹸は、透明観測所さんも作るのがとても手間がかかると話します。ちょうど金太郎飴のように、さまざまな色の石鹸を絵柄に合わせて型の中に重ねていき、固めたものをスライスして作ります。

 型の端に描きたい風景の大まかな図を配置し、それを目安に液体状の石鹸をしぼり袋で流し込んでいくのですが、絞り袋は色ごとに用意しておく必要があります。透明観測所さんは「何色が何グラム必要か、あらかじめしっかり計算して準備しておくことが重要です」と教えてくれました。

 液体状の石鹸は、時間が経つとどんどん固まってしまいます。そのためスイーツ石鹸も風景画石鹸も、作業は時間との勝負。手早く、それでいて丁寧に作業を進める必要があるので、作業前の準備や手順の確認など、しっかり用意して慌てないようにしておくことが大切なようです。

 型から取り出した風景画石鹸は、スライスすることで断面の美しい絵柄が現れます。一度に同じものが作れるので、親しい人へのプレゼントにすると喜ばれそうですね。

 石鹸アート作品を作っていくにつれ、石鹸の表現力が幅広いことに新鮮な驚きがある、と語る透明研究所さん。「私がいまだに飽きず楽しめる理由の1つでもありますので、その魅力を少しでも皆さんにお伝えできたなら嬉しいです」と話します。

 今度作ってみたい作品をうかがうと「お菓子作品ならば、モンブランやアップルパイといったショートケーキ以外のケーキ、風景画石鹸ではゴッホの糸杉やモネの睡蓮など、名画を再現したデザインにチャレンジできたらなと思っています」とのお答え。どれも楽しみな作品になりそうです。

 透明観測所さんはTwitter(@clearium_lab)のほか、Instagram(clearium_lab)でも作品の画像を投稿しています。透明感あふれる石鹸やスイーツ、風景画石鹸にレース編みをモチーフにしたものなど、石鹸の美しさに目を奪われることでしょう。

<記事化協力>
透明観測所さん(@clearium_lab)

(咲村珠樹)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 これ全部石鹸です!本物そっくりのスイーツから風景画まで「透明観測所」さんの石鹸アート