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「消しゴムはんこ」を作ったことはありますか?小中学生の頃、好きな文字や簡易的なキャラクターなどを彫ったことがある、という方も多いと思います。
そんな消しゴムはんこを作り続け、見事な芸術の域にまで昇華させたのは、「消しゴムはんこ羊屋」さん。ツイッターに投稿された、繊細なタッチが美しい動物の線画は、なんと全て紙にはんこを押した作品なのです。
「独学でこれは上手いと思ったらRT」のハッシュタグと共に、自身の作品を紹介した羊屋さん。この鳥や虎、ゾウの絵を見て、すぐにはんこだとわかる人はそうそういないでしょう。
羊屋さんが消しゴムはんこ作りを始めたのは、もともと工作や手芸が好きで、道具を新たに揃える必要がなく、とっつきやすいと思ったというささいなきっかけ。いろいろ工夫して彫っていくうちにすっかりハマってしまい、7年の継続でここまでの作品を作れるようになりました。
作品に使用する消しゴムは、文具店や通販などで購入可能な消しゴムはんこ用。作業工程も下絵を描いた後に消しゴムに転写し、デザインナイフや彫刻刀を用いて彫っていくという、想像に難くないものです。特別な道具は一切用いていないので、いかに羊屋さんの彫刻技術が優れているのかが良く分かります。
作品づくりにおいて特にこだわっているのは、輪郭以外の部分は全て彫刻刀で彫るようにしていること。彫刻刀で彫ると。木版画のように彫り残しの線が出てくるので、それを活かすように彫る深さや間隔を調整し、完成を想像しながら丁寧に、慎重に仕上げていきます。
こうした工程によって、命を吹き込まれた作品は、まるで絵画のよう。もちろん、はんこなので実際に押してみるまではその仕上がりを見ることは出来ません。その瞬間はドキドキでしょうが、「うまく出来たときは達成感もひとしお」と羊屋さんも語るほど、そこには制作者だからこそ味わえる感動があるようです。
気軽に作れるものでありながら、実は奥深い消しゴムはんこの世界。投稿には「知ってる消しゴムはんこと違う……!」「彫り方が全くわからないレベルのすばらしさ」と、作品を見た方からの驚嘆の声が多く寄せられています。
<記事化協力>
消しゴムはんこ羊屋さん(@hitujiyastamp)
(山口弘剛)