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幼児期のお子さんを持ちながら、仕事や家事で忙しくするママパパにとって、子どもと遊ぶ時間は、たまに負担に感じる時もあるのではないでしょうか。もちろん楽しむ気持ちもあるでしょうが、「自分の時間を持ちたい」「ゆっくり休ませてほしい」と考えるのは、至極当然のことです。
子どもと遊べる期間なんてあっという間、と頭では分かってはいるものの、気持ちが追い付かないことがある。そんな方に読んで欲しい短編漫画がツイッターで大きな反響を呼んでいます。タイトルは「育児で勘違いしていたこと」。
漫画は全8ページ。漫画の作者であり、一児の父である「月光もりあ」さんと、娘さんが公園に遊びに来たところ、別の親子連れに出会ったところからスタートします。
相手のお父さんはすぐに娘さんとも打ち解け、子ども同士を遊ばせるなど、見るからに子ども慣れしている様子。聞くとこのお父さんは、中一、小四、5歳の男の子3人を育ててきた、育児の大先輩。この公園にも10年以上通っているというベテランでした。
土日は基本的に自身が公園に来ており、それを上の子からずっと欠かさず続けているとのこと。月光さんが驚いて聞いていると、お父さんは続けてこう話しました。
「昔、職場の先輩に言われたことがあるんですよ」
「遊んでもらえるのも十年だぞって」
お父さんの何気ない一言にハッとした表情の月光さん。なんでも、上の子2人は友達と遊ぶことが優先になり、お父さんと公園に来るのはもう5歳の末っ子だけになってしまったとのこと。そんな話を聞いて、月光さんはひとつの気づきを得ます。
「遊んで”やってる”つもりでしたが、遊んで”もらってた”んですねぇ」
月光さんの娘さんは現在3歳。あと7年「しか」残されていない、という事実を「短けぇなぁ」と、えも言われぬ表情で噛みしめる様子は、リアルタイムで子育てをしているママパパにとっては、思わずこみ上げてくるものがあるのではないでしょうか。
最後のページでは、「あの言葉を教えてもらってラッキーだった」「そりゃ大変だし、イライラすることもあるけどさ」「期限付きのこの育児、より大事にしようと思った」「遊んで頂いていることに、感謝してます」と、総括。月光さんにとって、実りの大きい出来事となったようです。
月光さんは、普段はサラリーマンとして働く傍ら、漫画を執筆し、SNSや自身のブログで公開しているという、二足のわらじを履くパパ。内容は基本的にノンフィクションで、自身の体験や家族の姿をありのままに描く内容です。
中でも今回の漫画は、娘二児の父である筆者にとっても、他人事とは思えない内容。自分も顧みなければいけないところがあるな、と反省しつつ、月光さんに漫画についてうかがうと、「遊んで貰ってる側になったので、娘の小さい事でイライラしなくなり、心に余裕が出来ました」と、やはり育児に対する大きな心境の変化があったようでした。
投稿には6万件もの「いいね」が付き、「たしかに10歳の自分は友達とばかり遊んでました。良い気づきをくれてありがとうございます」と、これから実感として湧いてくるであろう方や、「その時は永遠に続くような気がしていましたが、家族が揃っている期間て案外短いんですよね」と、すでにこの時期を過ぎた方からなど、さまざまな立場から、感謝や共感や声が寄せられています。
こうした反響に対し、「為になったとか、お礼を言ってくれる方も多くて、めちゃくちゃうれしいですね。既に知っていた方や、これを機会に気づいた方もいて、描いてよかったと思ってます」と、感想を述べた月光さん。
「光陰矢の如し」という言葉があるように、10年なんて大人にとってはあっという間。もちろん、子どもによって離れてしまう時期が早かったり遅かったりはあるでしょうが、この限られた期間を「付き合ってやってる」と考えるか、「付き合ってもらっている」と考えるかどうかで、子育てに対する言動や態度も大きく変化することでしょう。
私自身も考えさせられることの多い内容でしたが、ちょっとでも心当たりのある方は、後になって悔やむ前に、今一度自身の子育てに対する気持ちや、子どもと向き合う態度を、見つめ直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
<記事化協力>
月光もりあ(公式)さん(@_moria_moria_)
(山口弘剛)