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ミニチュアはどれだけ小さく、どれだけ本物そっくりにディティールを凝縮できるか、というのも鑑賞ポイント。作り手の磨き抜かれた造形テクニックは、時に驚くようなサイズの作品を生み出します。
細いボールペンの軸に入った、1人前の握り寿司。それぞれの大きさは約5mm、本物のお寿司のシャリ1粒分という超ミニミニサイズです。
ホールペン軸に入った握り寿司を作ったのは、ミニチュアフード作家のmilmyuさん。小さい頃から食品サンプルが好きだったそうで、ある時SNSで目にしたミニチュアフードの精巧さに驚き、7年ほど前から自分でも作り始めたそうです。
使っている素材は多くのミニチュアフードと同じく、樹脂粘土。作るモチーフによって、いろいろな種類を駆使して制作されています。今回の握り寿司では、大トロ、イカ、ウニ、サーモン、中トロ、ボタンエビ、そしてイクラという7種類のネタが並びました。
ご自身では「細かいところまで見てしまう性格」と語るmilmyuさん。そのためか、作品に注ぐ目も厳しく「『ここはちゃんと再現されてないんだなー』とガッカリされないよう、見えにくい部分まで手を抜かずに作っています」と語ります。
よくよく見てみると、隠し包丁の入ったイカは下のワサビがうっすら見えている半透明の質感を再現。中トロの上には中空の小ネギ(あさつき)をのせ、シャリの粒感も細かく作られています。
本物の握り寿司がシャリを握ることから始まるように、まずはシャリの形を整えるところから。シャリ粒のディティールも細かく表現し、俵型のシャリができあがります。
イカはちゃんとシャリとネタの間に緑のワサビが入っており、本当にネタが半透明になって色が見えるという形。これでも一番簡単なネタだそうで、15分ほどで出来上がるそうです。
反対に工程が多く、時間がかかるのはイクラ。これも透明感のある粒々をひとつずつ作っていき、最後に極薄の海苔を巻き付けるという形になるため、完成させるまで数日がかりになってしまうんだとか。
やはり手間のかかるネタは苦労するのかな、と思ってうかがってみると「工程が多く細かい作業になるんですけど、何故かボタンエビが一番好きです」と意外なお答え。逆にウニを作るのは苦手なのだといいます。
お寿司だけでなく、添えられるワサビや生姜(ガリ)まで揃った1人前の握り寿司。ボールペンの軸に入れるのは苦労したそうですが、手にする側からすると、あまりのリアルさに本物のお寿司を食べに行きたくなってしまいそうです。
milmyuさんはお寿司以外にも、スイーツからハンバーガーといったものまで、幅広いジャンルのミニチュアフードを作っています。作品はminneやcreemaで販売もされているので、好みの作品が見つかるかもしれません。
<記事化協力>
milmyuさん(@milmyu1)
(咲村珠樹)