長年ファンを巻き込んで続いてきた、明治のお菓子「きのこの山」と「たけのこの里」をめぐる争い。これまで白熱した勝負が重ねられてきましたが、その状況に大きな変化が。


 「きのこの山」のキャラクター「きの山さん」と「たけのこの里」のキャラクター「たけ里ブラザーズ」が電撃和解。やさしくなって、まさかの仲直りをしてしまいました。



 1975年誕生の「きのこの山」と、1979年誕生の「たけのこの里」。両者は互いをライバル視しながら、美味しさを高めあうことで長年ファンの心を掴んできました。


 良きライバルとして切磋琢磨する状況が激化するきっかけとなったのが、2001年から始まった総選挙キャンペーン。どちらがより美味しいのか、ファンに問う人気投票を通じ、いつしか「きのこたけのこ戦争」と呼ばれる全面対決に発展しました。


 2008年には「きのこの山」のキャラクター「きの山さん(@kinoko_meiji)」が、そして2009年に「たけのこの里」のキャラクター「たけ里ブラザーズ(@takenoko_meiji)」がTwitter公式アカウントとして登場。Twitter上でも争いが繰り広げられ、状況はますますヒートアップする事態に。


 2022年に入り、7月24日の「兄弟姉妹の絆の日」を迎えると、きの山さんが互いの関係を「兄弟みたいなもんだと思ってるぜぇ~!」と年長者の余裕を見せてやさしい言葉をかけました。しかし、たけ里ブラザーズは「これからも、きの山さんを押し退けて圧倒的人気者なオレ達になるZe」と戦闘意欲満々。




 これにカチンときたきの山さん。こちらから歩み寄るような言葉をかけたのは間違いだったと、翌25日に「やっぱりあいつらとは一生仲良くなれないぜぇ~」と改めて対立する言葉をツイートしました。26日にも「たけ里ブラザーズのバーカだぜぇ~」と追い討ちです。




 たけ里ブラザーズからすると、上から目線で呼びかけられたのが気に入らなかったのかもしれません。25日に「なんだか、きの山さん、調子のってるNa!」と苛立ちを露わにし、26日にも「きの山さんなんて、だいっきらいだYo!」と突っぱねる言葉をツイート。




 やはり交わることはないのか……と落胆した人も多いのではないでしょうか。しかしながら、2022年3月に発売された“大人向けのやさしい美味しさ”が特徴だという「厳選素材のきのこの山」「厳選素材のたけのこの里」を食べると、両者に異変が……。


「大人向けのやさしい美味しさ」……アッ。


 7月27日のツイートで、きの山さんは「たけ里ブラザーズ、昨日までごめんだぜぇ~」、たけ里ブラザーズも「きの山さん、こちらこそムキになってごめんNa!」と互いにやさしい言葉をツイート。急速な和解ムードを見せてくれました。




 どうやら、これには“小麦全粒粉を使用した健康感と、大人向けのやさしい味わい”が特徴だという「厳選素材のきのこの山」と「厳選素材のたけのこの里」が影響している模様。両者の頑なだった心も「やさしく」ときほぐしてしまったようです。


 この傾向は翌28日も続き、互いに心と体に異変が起きていることを示すツイートを投稿。きの山さんとたけ里ブラザーズの様子が気になるところですが、7月29日、驚きの事態が起こりました。


 なんと、きの山さんは「やさしすぎるきの山さん」に、たけ里ブラザーズは「とにかく丁寧なたけ里ブラザーズ」に。それまでの争いが嘘のように、互いに手を取り合い「やさしくなっちゃった」とキャラ変し、同時にアイコンもやさしく変化してしまいました。




 一体これはどうしたことでしょう……ギスギスしていた関係を変化させてしまう力が「厳選素材のきのこの山」と「厳選素材のたけのこの里」に秘められているのでしょうか。はたしてこの関係はずっと続くものなのか、それとも元に戻ってしまうのか、双方のTwitterアカウントを注視する必要がありそうです。


情報提供:株式会社明治


(咲村珠樹)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 長年続いた戦争ついに終結!?「きのこの山」「たけのこの里」が電撃和解