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日本で独自の発展を遂げたという食品サンプル。今では実物大はもちろん、ミニチュアサイズのメニューがアクセサリーになったり、ハンドメイド作品として自作したりする人も多くなりました。
Twitterユーザーの「とどろきまる」さんは、そんな食品サンプルを指先大にぎゅっと凝縮したミニチュア作品を作って発表しています。独学で約2年半という歴とは思えないほど、高い完成度に驚きを隠せません。
ミニチュア作品を中心に、実物大の食品サンプルも作っているという「とどろきまる」さん。「食品サンプルづくりの仕事をしたいという気持ちは漠然とありましたが、求人もなく、体験教室も身近になかったので、まず自分でやってみようと」YouTube動画などを参考に作り始めたそうです。
最初から実物大ではなく、ミニチュアサンプルを作り始めたとのことで「こんなにリアルなのに食べられない、しかも指先サイズ、という視覚的な驚きを感じていただけるように」作っているといいます。指先サイズは比較対象が分かりやすく、詰め込まれたディティールをギリギリ確認できる絶妙な縮尺かもしれません。
使っているのは主に樹脂粘土。作品によっては造形樹脂やシリコン、プラスチック素材で作ることもあるのだとか。彩色はアクリル絵の具やラッカー塗料で「毎月新素材を試しながら、より美味しそうなサンプル作りに取り組んでいます」と話してくれました。
ラーメン、寿司、カレーといった料理系のモチーフが多いとのことですが、心がけているのは「構造を似せる」こと。「チャーシューであれば、脂身と肉の部分にそれぞれ見立てた2色の粘土を層にするなど、本物と同じ構造になることを意識しています」と語ります。
お気に入りの作品だという、ショートケーキの断面を見ると、スポンジ生地やデコレーションクリームがふわふわした質感なのに対し、スポンジに挟まれたイチゴはみずみずしく質感を作り分けられているのが分かります。実物ではほんの数mm程度の中に、これだけのディティールを詰め込めるのは驚きです。
エッグカレーもご飯粒がひとつひとつ丁寧に作られ、目玉焼きの黄身を見ると表面にうっすらと白身があって固まっているのも分かります。焦げたエッジの表現もお見事。
始めたのは2019年の12月だといいますから、わずか2年半ほどでこれだけの技量を身に付けたのもびっくり。「今年は、地元のラーメン屋さんの食品サンプルを実物大で製作させていただいたりもしました」と語る通り、ミニチュアだけでなく実物大の食品サンプルもリアルに作られています。
アップの写真を見ると思わず「美味しそう」と言葉が漏れてしまいますが、実際は1~2cmの指先サイズという、とどろきまるさんのミニチュア食品サンプル。Twitterには数々の作品がアップされていますので、ご覧になる際は食欲をそそられないよう、注意が必要です。
<記事化協力>
とどろきまるさん(@todorokimaru21)
(咲村珠樹)