新型コロナウイルス感染症の流行により、大きく変化した日常のひとつが、外出時におけるマスクの着用。

 感染対策のための「一時的措置」とはいえ、2年が経過した今、それは「普通」に置き換わってきているようです。フリーアナウンサーの安田さちさん(以下、安田さん)が、「変化」についてTwitterで紹介しています。

「『マスクを外していいよ』と体育の授業で言われても取りたがらない子がほとんど。娘のクラスで取ったのは3人だけだったらしい。感染対策というより顔を見られるのが恥ずかしいんだって。もはやマスクは洋服感覚。『顔パンツ』なんて例えもあるくらいだもんね。これがコロナが招いた切ない現実なんだ」

 お笑いトリオ・安田大サーカスの「団長」こと、安田裕己さんの妻でもある安田さん。今回投稿された内容は、小学生の娘さんから聞かされた話しだったそうです。

 感染リスクではなく、羞恥でマスクを外すことを躊躇っている現実には、率直に寂しい気持ちを抱いたといいます。

 「『顔を見られたくない』から外せないのは、正直異様なことに感じましたね」と振り返る一方で、娘さんたちの考えを知り「驚き」もあったそうです。

 「最近では、『オンライン授業』においても、ほとんどの子がマスクを着用しているんです。子どもは、私たち大人以上に、『コロナ禍』の生活に順応しているんだと思います。ただ、結果として、マスクを外すことに抵抗ができてしまっています。これは衝撃でした」

 先月5月に行われた政府の発表により、特定条件下でのマスク着用緩和が推奨されたこともあり、安田さんは、夏場の熱中症への不安も考え「皆さんの意見を聞いてみたい」と投稿することに。

 するとリプライ(返信)欄では、同様に「寂しい」という感想がある一方、「子どもたちの気持ちも分かる」という声も寄せられています。

 筆者のまわりにも、安田さんのお子さんと同年代の子どもたちがおり、今回の投稿に近い話を聞かされることが増えています。

 特に印象的だったのは、マスクを外した場合、誰か分からなくなるという点。一部で「顔パンツ」とも揶揄されるほど、身体の一部になってしまったマスクの存在は、他人からの印象にも大きな影響を与えています。これは旧知の間柄でも同様。我々大人が思っている以上に、「2年」というのは、子どもたちにとって長く、かけがえのない時間なのです。

 「最終的には(マスクを)外す・外さないは個人の自由です。ただ、私は、コロナ前のように、子どもたちの笑顔が見られる『日常』が戻ることを願っています」

 一連の反響を振り返り、安田さんは最後にこのように語っています。

<記事化協力>
安田さちさん(@mito0504)

<参考・引用>
厚労省「マスク着用の考え方
※本文画像は厚労省HP掲載のPDFデータ「マスク着用の考え方」を引用。

(向山純平)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 もはや「顔パンツ」 顔を見られるのが恥ずかしい……「マスクを外したがらない子どもたち」