「そんなところまで!?」と驚かれる部分まで、ついつい作りこみをしてしまうのがものつくりというもの。

 ジオラマ作家のゆうすけさんは、自身の名刺立てを制作する際に、改めてそれを実感したそうです。それを「葉っぱ作り」と題し、Twitterで紹介しました。

 5月28日から愛知県名古屋市で開催されている「ミニチュア写真の世界展2022 in名古屋」で作品を展示するなど、活動の場を広げているゆうすけさん。その中で、自身をより知ってもらうために、名刺を置いておく名刺立てを作ることを思いつきました。

 でも「なぜ葉っぱ?」というのは、恐らく多くの人が思い浮かべる疑問です。

 「『自分もオリジナルのものを!』との考えから始めたのですが、いざ始めてみると、楽しくなってきたのか、機能性そっちのけで、ローリングストーンズや冨安健洋選手に囲われた空間を作ってしまいましたね(笑)」

 ゆうすけさんが作っていた「葉っぱ」は、名刺立ての一部を飾るパーツでした。完成した作品には、ロックバンドのギターをモデルにしたミニチュアと、プロサッカー選手のミニチュアユニフォームが飾られています。見た感じ、名刺立てというよりかは「パブのとある一角」といったところ。

 そして今回注目の「葉っぱ」は、名刺立てのサイドの壁からつきでる植物の葉として使われています。立ち位置としてはサブともいえるパーツですが、これ一つの完成までには、絵の具で色塗りをした紙を彫刻刀でくり抜き、それを電線で撚った枝に、接着剤で1つ1つ丁寧に貼り付ける、という手間ひまがかけられています。

 何とも根気のいる作業ですが、くり抜いた葉を、さらに半分に折り曲げながら作った葉っぱの数量は、余剰ふくめてなんと「400」。

 「正直まだ理想的なものには程遠いのですが、自分の中ではよくできた方かなと思っています。小物を作る際は、『質感を再現すること』がこだわりであり、楽しみですね。プラ素材で、木や鉄などの異なるものを上手く表現できたときなんて最高ですよ。模型の醍醐味ともいえるかもしれません」

 サラリと語るゆうすけさんですが、それは決して「妥協の産物」から生まれたものではありません。それを証明するかのように、今回の投稿のリプライ(返信)欄には、続々と称賛の声が集まっています。

<記事化協力>
ゆうすけさん(Twitter:@yu5ukejbk/Instagram:@yuusuke9129)

(向山純平)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 葉っぱ1枚からでもこだわっていく ジオラマ作家の探求心に称賛の嵐