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美術大学在籍時に、彫刻やインテリアを専攻した経験を生かし、現在は陶芸家として活動している峰村ゆかさん(以下、峰村さん)。
作品は、自身が愛する「猫」をモデルにしたものを数多く制作しています。先日は、2022年5月21日から22日に開催された「デザインフェスタvol.55(以下、デザフェス)」への出展作品「ゴロンとした猫の箸置き」をTwitterで紹介しました。
「デザフェスが間近になり、自分の小さな窯じゃ間に合わないので初めて貸し窯を利用しました!一度に沢山焼けて助かります」
出展準備も佳境ともいえるタイミングの5月16日に、制作風景を公開した峰村さん。そこには、色とりどりの毛を身に纏った愛らしい猫ちゃんの磁器小物が写し出されています。
作品名の通り、ゴロンと寝転がったかのような形状となっていますが、デザフェスに合わせて、カラーバリエーションを増やして制作したそう。
焼き上げ後だったため、今回の投稿写真は距離を置いての撮影となっていますが、それでも色鮮やかさが伝わってくる猫アート。一方で、近くで見るからこそ伝わるこだわりも盛り込んでいます。それは猫ちゃんたちの「表情」。
「筆で釉薬(ゆうやく)の厚みを調整することで、顔の凹凸部分の繊細さを表現しました。とても時間のかかる作業ですが、作品の立体感を出すためにこだわっているポイントでもあります」
峰村さんは以前に、猫の箸置きを持ち上げた際の様子を投稿していますが、そこには、猫ちゃんたちがゴロンと気だるそうな表情に写し出されています。そうそう、こういう表情するする。
制作においては、まず自身でラフ画を描き、それを陶芸に落とし込むスタイルを取っている峰村さん。そのためか、制作の途中でも猫の顔部分がはっきりと判別できるものになっています。先述の釉薬の厚みを調整する工程では、何度も目元を描き直すこともあるんだとか。
今回のデザフェスにおいて、峰村さんは置物タイプの作品なども合わせて出展されています。その姿は、“リアル”を陶芸で再現したといっても差し支えないもの。幼少期より、猫と触れてきた人生から生まれた陶芸家・峰村ゆかの「猫愛」を表現したものとなっています。
「『陶芸』は、自分の思い通りに焼きあがらないことがしばしばあります。コントロールが難しく、苦労することもありますが、成功した時は喜びもひとしおです」
元々大学卒業後は、美術関連から離れた仕事をしており、合間に作った箸置きの小物がきっかけで「陶芸」の魅力に目覚めたという峰村さん。そこから、陶磁器の一大産地である岐阜県で修業したのち、2021年から茨城県を拠点に陶芸家として活動しています。
作品は、TwitterとInstagramで都度紹介。ハンドメイドサイト「ミンネ」では、一部商品取り扱いもされているとのことです。
<記事化協力>
峰村ゆかさん(Twitter:@minem_y/Instagram:@minemura10)
(向山純平)