フリーのイラストレーターとして活動する城谷俊也さん(以下、城谷さん)は、手描きの透明水彩画をデジタル加工するという手法を用いたイラストレーションを描いている人物。

 アナログとデジタルを組み合わせたハイブリッドなタッチは、絵の中のモデルたちが浮き上がってくるかのような躍動感が特徴的。先日発表した「キカイ深海魚の世界」も同様に、多くの人を魅了しています。

 「普段から『魚』をテーマに描くことが多いのですが、その中でも、とりわけ個性的な『深海魚』を集めて、エキセントリックな魅力を表現したのが本作です。『キカイ魚』たちは、以前仕事で描いたものを含めてオリジナルですが、それらを組み合わせることで、博物誌にある『図鑑ポスター』のようにしました」

 投稿作品「キカイ深海魚の世界」について語る城谷さん。その言葉通り、イラストには機械化された無数の深海魚たちの姿が描かれています。

 古紙を連想しそうな、くすんだ色合いの背景とは対照的に、明るい配色で描かれたそれらは、絵から浮かび上がってくるかのごとく優雅に泳いでいます。実際に図鑑ポスターでこれを見ることがあれば、ワクワクが止まらない世界観となっています。

 どうやらそのように感じたのは筆者だけではなかったようで、投稿のリプライ(返信)欄には、「かっこいい!」「素敵!」「マーベラス!」「アメイジング!」という声が寄せられています。ちなみに先述の「ワクワクする世界観」というのは、城谷さんが作品全体で心がけているポリシー。そしてそれは、本作「キカイ深海魚の世界」においても、国内外のユーザーに広く伝わったようです。

 深海魚の他にも、様々な生物やモノを題材に、スチームバンク的な空想の機械や乗り物などとしても表現している城谷さん。

 活動範囲は多岐で、IT関連の書籍のカバー絵や、広報誌の表紙イラストなどへも、自身のイラスト作品を提供されています。いずれについても、自らが生み出したモチーフたちにより、「ファンタジックな空想科学の世界」を伝えています。

<記事化協力>
城谷俊也さん(@vespayellow)

(向山純平)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 絵の中で優雅に泳ぐ機械仕掛けの魚たち イラストレーター城谷俊也が表現するファンタジックな「キカイ深海魚の世界」