チョコレートに木目を彫る作業をツイッターで紹介したのは、パティシエとして活動中の「どりどり」こと、松田みどりさん(@m_doridori_)。

 先端の細い針のような道具で、一本一本木の模様を描いていく作業は、想像するだけでも気が遠くなりそうですが……木の凹凸に沿って丁寧に彫られた作品は、まさに木の幹そのもの。一瞬、これがチョコレートであるという事を忘れてしまいそうなほどの出来栄えです。

 松田さんはショコラトリー「パスカルルガック東京」のパティシエ。過去さまざまな製菓コンクールに挑戦しており、25歳以下の世界大会で優勝したことも。その経験を生かし、お菓子でさまざまな細工物、アート作品を制作しています。

 今回の「木目を彫る」作品は今後開催予定の、お菓子の細工が得意な人たちによる展示会に向けて制作をしている作品。砂糖やバター、アーモンドといった素材を使った個性的な作品が並び、松田さんはもちろんチョコレート作品で参加します。

 ツイッターの投稿では木目を彫る工程を公開していますが、実は今見えている木の幹は大きな作品の一部分。最終的には木の上にチョコで作ったオオワシのモチーフを飾って、ひとつの作品になるのだそう。

 元々「生き物好き」を公言しており、その中でも鳥は松田さんの中でも特別な存在。かっこよくてインパクトのあるオオワシをチョイスし、木の上からオオワシが川魚を狙うという構図にする予定なのだとか。

 松田さんが過去に制作した作品には、鮮やかな羽の色が印象的な「ベニコンゴウインコ」や、勇ましくも柔らかい表情がかわいらしい「虎」をモチーフにしたものなど、芸術的なものばかり。これがチョコレートで出来ているとはとても思えません。

 松田さんがSNSで発表している作品は、人から依頼されたものや趣味で制作しているものが中心で、今現在は販売を行っていないそう。ですが「大好きな動物をテーマにした、自分のブランドを持ちたいと思っているのでいずれ販売する予定です」と大きな夢を語ってくれました。

 ちなみに今回の作品の完成は4月下旬ごろを予定しているとのこと。一体どんな作品に仕上がるのか……今から待ち遠しくなってしまいますね。

<記事化協力>
どりどりさん(Twitter:@m_doridori_ / Instagram:@midori_matsuda_)

(山口弘剛)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 パティシエがチョコに「木目を彫る」 お菓子の細工技術に感嘆