ロボット掃除機と猫との相性の良さは、すでに多くのルンバユーザーによって、発見および拡散されている話でありますが、猫動画制作用途ではない、本来の用途における、相性というか有用性はどうなのだろうか、という疑問を解消すべく、さっそく我が家の猫たちと対面させた次第です。
当初は、知り合いから借りたロボット掃除機を使って、それに乗る猫動画撮影を試みましたが、黒い筐体に対し、一朝一夕では猫が心を開放してくれなかったため、華麗に方針を転換し、猫飼い主に有用な情報を届けるべく「猫飼い主用ロボット掃除機レビュー」にいたしました。三毛猫記者の同僚・シマシマ記者もこの通りの警戒っぷりです。三毛猫記者のほうはというと、充電中のScout RX1のゴミ受けを取り外した瞬間、部屋を動き回る怪しいアイツの弱点を探ろうとしたのか、果敢に内部を探っていました。
我が家の猫と対面したのはミーレのロボット掃除機「Scout RX1」。猫とともに暮らす環境下での、Scout RX1、略してScout君を使ったときの「猫飼い主向け小技」を、猫飼い主向けロボット掃除機選びの参考情報としてお役立ていただければ幸いです。
衝突回避機能で、猫の水飲み皿にぶつからずに済む
ロボット掃除機と一口に言っても、メーカーによって設計思想は異なります。例えば、ルンバ君のように、室内を衝突しながら縦横無尽に走り回って、くまなく掃除するタイプもあれば、Dyson 360 Eyeのように、カメラや赤外線センサーで障害物を察知して、ぶつからずに効率的に室内を動き回るタイプもあります。Scout君は後者に属し、例えば、猫の飲み水皿などが床に置いてあっても、寸前で止まってくれます。動画はその様子を撮影したもの。水飲み皿と下に敷いているタオルとを合わせた高さは約8cmです。
段ボール製猫爪とぎは、掃除範囲の「仕切」に便利
前述の機能の応用で、段ボール製の猫爪とぎを立てておくと、Scoutは壁と認識してその先へは進みませんでした。これが掃除の範囲を制限するときに、大変便利。公式機能として、掃除する範囲を限定する際には、製品同梱の磁気ストリップを使いますが、同梱分だけでははっきり言って足りません。そこで、猫爪とぎの出番。動画で使用した猫爪とぎの高さは11.5cmでした。「畳の部屋へは、Scoutを行かせたくない」といった時に、部屋の境に猫爪とぎを置けば、Scoutの行動範囲を簡単に制御できます。これは、Scout以外の、衝突回避センサー付きロボット掃除機でも、活用できるかと思われます。
一筆書き走行は掃除時間が短く、猫の警戒時間も短縮
ネット界隈で「猫×ロボット掃除機」と言えば、猫乗用としての認識が広がっていますが、あのように乗ってくれる猫は、恐らく少数派。キャニスター型掃除機に対する警戒の度合いほど高くはありませんが、我が家の猫たちも、室内を我が物顔で走り回るScoutを、ずっと警戒していました。数日同居してもらったものの、黒光りするアイツに心を開いてくれる様子は皆無。そのため、一筆書き風ルートで掃除するScout君の、掃除時間の短さは、猫へ与えるストレスが小さいものと思われます。当然ながら、その反面、同じ箇所も繰り返し掃除するルンバのようなタイプに比べると、とれるゴミの量は少なくなります。Scout RX1が、床に散らばった猫砂を掃除する様子はこちら。猫にとっては、動いている時間が短い方がいいようです。
最後に、1つはじき飛ばしてしまいましたが、数回の往復で、ほとんどの猫砂を吸い込んでくれました。
ちなみに、三毛猫記者は動いているScoutには近づかず、充電用のベースステーションに止まっていると、動かないのをいいことに頻りにチェックを行うタイプ。一方、シマシマ記者は、回転するサイドブラシが気になるようで、その一点を狙って果敢に攻撃するタイプ。猫の性格によって対処の仕方もかなり異なるようです。
ということで、ロボット掃除機選びに関するお探しの猫飼い主さんへの一助になりましたら幸いです。今回はScoutだけでしたので、ルンバやCOCOROBOなど、他のロボット掃除機のユーザーさんで、「猫飼い主向けいいところ」についてご存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひともコメントにてお寄せくださいませ。それと合わせて、各メーカーの中の方に、一方的に思いを馳せることといたします。
[Scout RX1/Miele]
情報提供元: 猫ジャーナル