その猫の表情はといいますと、ほれこの通りのポーカーフェースであります。
揺れたり震えたりしながら、丁寧に丁寧に丁寧に振動も音も押さえ込む猫腹の防音防振効果をご確認ください。
ブラウン管のテレビの映りが悪いときはとりあえず叩くのと同様に、携帯電話の行方が分からなくなったらとりあえず鳴らすのが常道でありまして、飼い主さんがピポパポと架電しますと、かすかに響く着信バイブの音。
次もその次もその次もまだ目的地じゃないその先に、揺れる携帯を探すんだと鼻息荒く意気込む人間の焦りを見すかすように、寝そべる猫はイカ耳で何事もないかのように体を伸ばしております。
再度ブーブーと鳴り響くも、表情を一切変えずに知らんぷり。揺れたり震えたりしたって、丁寧に丁寧に丁寧に包むよといった表情を決め込む猫。「殿の耳が冷たかろうと思いまして、腹の下で温めておきました」という言い訳でも考えていたのかもしれません。
[Cat sitting on vibrating phone/YouTube]
情報提供元: 猫ジャーナル