愛猫の『食性』を理解するための5つのポイント 猫にとっての理想のご飯や健康的な食生活を送るコツ
︎猫の知っておきたい食性5選
1.完全肉食動物
食性は「肉食」「雑食」「草食」に分けられますが、猫はその中でも完全肉食動物に分類されます。
日本では「猫は魚が好き」というイメージがありますが、本来は肉や魚などの動物性食品を食べる動物です。猫の祖先であるリビアヤマネコも、ネズミや鳥類、昆虫などを主な獲物としていました。
では、肉や魚だけを与えていればいいのかというと、そうではありません。猫には健康維持に必要なさまざまな栄養素があるため、肉や魚だけでは栄養が偏ってしまいます。
そのため、猫に必要な栄養素をバランスよく摂取できるよう、キャットフードが作られるようになりました。その結果、現代の猫の平均寿命は以前よりも長くありつつあると言えるでしょう。
2.単独で狩りをしていた
猫はもともと単独で狩りをする動物で、自分で獲物を捕らえ、自分で食べていました。
犬などのように集団で狩りをする動物とは異なり、猫は自分で次の獲物を捕らえるまで、他の仲間から食べ物を分けてもらうことができません。そのため、獲物を一度に食べ切らず、少しずつ複数回に分けて食べる習性があります。
猫がご飯を与えても少し残すことがあるのは、こうした習性の名残ともいわれています。
ただし、現代の猫は「決まった時間にご飯がもらえる」「他の猫に取られる心配がある」など、生活環境が野生とは異なります。そのため、少しずつ食べる猫もいれば、出されたご飯を一気に食べる猫もいます。
3.香りで食べ物を判断する
犬は嗅覚が優れていることで有名ですが、猫も人よりはるかに優れた嗅覚を持っています。猫は食べ物の香りから、「食べられるものか」「新鮮なものか」などを判断するといわれています。そのため、味だけでなく香りも食欲を左右する重要な要素です。
また、猫は人間のように甘味を感じることができないため、食べ物を選ぶ際には香りや食感などが大きく影響します。
そのため、猫にとって食事は栄養を摂るだけでなく、香りや食感などを含めて楽しむものでもあります。猫が好む香りや食感には個体差があるため、愛猫の好みを知ることも大切です。
4.温かいものを好む
猫はもともと狩りをして獲物を食べていたため、獲物の体温が残った人肌程度の温かさを好む傾向があります。
「猫舌」という言葉から、猫は温かいものが苦手だと思われがちですが、実は猫だけが特別熱さに弱いわけではありません。猫を含め、火を使って調理をする動物ではない多くの動物は、人間が食べるような熱いものを苦手とします。
「猫舌」という言葉は、江戸時代に人が食べるような熱い食べ物を猫が食べられなかったことから生まれたといわれています。
むしろ猫は、冷蔵庫から出したばかりの冷たいフードよりも、適度に温かいフードを好む傾向があります。
5.必須な栄養素がある
動物には、体内で十分に合成できず、必ず食事から摂る必要がある「必須栄養素」があります。
その中でも猫にとって特徴的なのが、「タウリン」というアミノ酸です。犬や人にはタウリンを体内で合成する能力がありますが、猫は十分に合成できないため、食事から摂取する必要があります。不足すると、目や心臓などにさまざまな影響が出ることがあります。
「猫にドッグフードを与えても大丈夫?」と聞かれることがありますが、数回食べた程度で大きな問題になることはほとんどありません。しかし、ドッグフードは猫に必要な栄養バランスを考えて作られたものではないため、猫にドッグフードを長期間与え続けるのは避けましょう。
︎猫の健康を守る理想の食生活
「総合栄養食」と表示されたキャットフードは、猫に必要な栄養素がバランスよく含まれています。そのため、主食には総合栄養食と表示されたものを選びましょう。
ただし、適したフードは猫の年齢や健康状態によっても異なります。
例えば、水分をあまり摂らなくなった高齢の猫や、尿石症などの泌尿器疾患になったことがある猫では、食事から水分を補うことも大切です。ドライフードだけでなくウェットフードを取り入れたり、間食にスープ状のおやつを利用したりする方法もあります。
また、高齢で歯が抜けている猫や、歯周病などで噛むことが難しい猫には、柔らかく食べやすいウェットフードが適している場合があります。
食欲が落ちているときには、ウェットフードを30~35℃程度に温めると香りが立ち、食欲を刺激することがあります。電子レンジを使用する場合は、温度にムラができやすいため、よくかき混ぜて熱すぎないことを必ず指で触って確認しましょう。
また、猫は少量の食事を何回かに分けて食べる習性があるため、食べ残しが多くない猫であれば、ドライフードを置いておく方法もあります。ただし、時間が経つとフードが酸化するため、長時間放置せず、残ったものは新しいものに交換しましょう。
子猫や肥満気味の猫など、食事量の管理が必要な場合は、1日の給与量を決めたうえで複数回に分けて与えることもおすすめです。
︎まとめ
猫にとって理想的な食生活を考えるには、まず愛猫の年齢や健康状態、予防したい病気などを知ることが大切です。
基本的には、主食として総合栄養食を与えることがどの猫にも共通しますが、特定の病気を予防したい場合や食事で工夫したいことがある場合は、動物病院の獣医師や愛玩動物看護師などの専門家に相談してみるのもおすすめです。
また、必要な栄養素をしっかり摂らせ、猫にとって与えてはいけないものを避けることはもちろん、食事から得られる幸福感や満足感も猫にとって大切です。
ウェットフードよりドライフードを好む猫、魚味より肉味を好む猫、同じものを好む猫や、毎回違う味や食感を楽しみたい猫など、食の好みは猫によって様々です。愛猫がどんな食事を好むのかを知り、その好みに合わせて食事を選んであげることも、食事の時間を楽しんでもらうための一つの方法です。
また、病気などで食欲が落ちたときにも、普段から愛猫の好みを知っていることが役立つ場合があります。日頃からフードへの反応を観察し、総合栄養食やおやつなど、それぞれの「好きなもの」をいくつかリストアップしておくとよいでしょう。
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