猫飼いさんは知っておくべき『腎臓病』の基本5選 なりやすいのはなぜ?どのような症状が?
猫の腎臓病の基本5選
猫の死因として常に上位に挙げられる「腎臓病」。特にシニア猫では発症率が高く、「猫の宿命」とまでいわれる病気です。初期症状がわかりづらく、気づいたときにはすでに進行していることも少なくありません。
ここでは、愛猫の健康を守るために知っておきたい腎臓病の基本を5つに絞って解説します。
1.猫が腎臓病になりやすいのはなぜ?
猫はもともと乾燥地帯で進化した動物であり、水分摂取が少なくても体が維持できるようにできています。そのため、犬に比べて飲水量が少なく、尿を濃縮する機能が発達している一方で、腎臓に負担がかかりやすいという特徴があります。
さらに高齢になるにつれて腎機能は自然と低下し、慢性的な腎臓病を引き起こしやすくなります。年齢とともに「誰にでも起こり得る病気」だと理解しておくことが大切です。
2.初期症状はとてもわかりにくい
腎臓病は「サイレントキラー」とも呼ばれ、初期にはほとんど症状が出ません。気づきやすいサインとしては、飲水量や尿量の増加、体重の減少、毛づやの悪化などがありますが、これらも急激ではなく、徐々に進行していくため見逃されやすいのです。
「最近ちょっと変かも?」という違和感が、早期発見の手がかりになることもあります。
3.重症化するとどんな症状が出る?
腎臓病が進行すると、老廃物をうまく排出できなくなり、体にさまざまな不調があらわれます。主な症状は、食欲不振・嘔吐・下痢・脱水・口臭(アンモニア臭)・元気消失など。重度になると、痙攣や昏睡状態を引き起こすこともあります。
この段階になると完治は難しく、延命や緩和ケアが中心になります。だからこそ、早い段階で気づくことが何よりも重要です。
4.定期健診と尿検査・血液検査が命を救う
腎臓病は、数値でしか異常を確認できないことが多いため、定期的な健康診断が欠かせません。特に7歳を過ぎたあたりからは、年1回以上の尿検査・血液検査をおすすめします。
「まだ元気だから大丈夫」と思っていても、数値にはすでにあらわれていることも。病気の発見が早ければ早いほど、進行を食い止める可能性が高くなります。
5.予防の鍵は「水分」と「食生活」
腎臓への負担を減らすには、しっかりと水分を摂取させることがポイントです。水飲み場を複数設けたり、ウェットフードを取り入れたりすることで、自然に水分摂取量を増やせます。
また、年齢や体質に合わせたフード選びも重要です。腎臓ケア用の療法食は、病気の進行を抑えるために設計されており、動物病院での相談を通じて導入を検討しましょう。
腎臓病と向き合ううえで大切なこと
猫の腎臓病は完治が難しい病気ですが、「うまく付き合っていく」ことで寿命を延ばし、生活の質(QOL)を高く保つことが可能です。ここでは、腎臓病の猫と暮らす上で飼い主が意識したいこと、具体的なケアのポイントを詳しくご紹介します。
早期発見が猫の未来を左右する
腎臓病は気づいた時点で半分以上腎機能が失われているともいわれるほど、進行に気づきにくい病気です。だからこそ「予防的な定期健診」が最大の防御策になります。
7歳以上の猫は年1〜2回の血液検査・尿検査が理想的。「Cre(クレアチニン)」「BUN(尿素窒素)」「SDMA(腎臓マーカー)」など、腎臓関連の数値は必ずチェックしておきましょう。
“水を飲む仕組み”を生活に取り入れる
腎臓病の予防・進行抑制に欠かせないのが「しっかり水を飲ませる」ことです。ですが、猫はそもそも積極的に水を飲む習性がありません。
- 複数の水飲み場を家中に設置
- 循環式ウォーターファウンテンで興味を引く
- ウェットフードやスープごはんで食事から水分補給
- ぬるま湯や少量のかつお節水を試してみる
など、飲水行動を“自然に引き出す工夫”が効果的です。
フードは「低たんぱく・低リン・低ナトリウム」が基本
腎臓に負担をかけない食事は、たんぱく質とリンとナトリウムのコントロールが鍵になります。療法食を基本としつつ、猫の好みによっては市販の腎臓サポートフードや手作りサポートも一部検討できます。
ただし、自己判断で食事を変更するのは危険なので、必ず獣医師と相談のうえ進めましょう。
まとめ
猫の腎臓病は、年齢とともに避けては通れない病気のひとつですが、飼い主の気づきとケア次第で進行を遅らせ、穏やかな時間を長く保つことができます。
「水分」「定期健診」「日々の観察」──この3つを意識するだけでも、大切な家族の健康寿命は大きく変わります。今日からできる小さな工夫で、愛猫の健やかな未来を守ってあげましょう。
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