1.弱みを見せたくないからガマン…

最初に挙げたいのは、「弱みを見せたくない」という気持ちです。

肉食ハンターである猫は、野生下では、「狩る、狩られる」、2つの立場をあわせ持つ存在です。厳しいサバイバルの世界で、まわりの天敵やライバルに弱みを見せてしまうと、命を狙われる危険があります。

たとえ調子を崩しても猫が平静を装うのは、よからぬ相手につけ入る隙を与えたくないからです。その本能的な習性は、現在の飼い猫にも引き継がれています。

猫にとって怒りはストレス反応のひとつで、弱みと同様に、あまり表沙汰にしたくない心理状態です。冷静さを失った状況で、敵の襲撃に遭えば、うまく対処しきれないこともあります。

みなさんの愛猫がめったに怒らない温厚な性格の持ち主なら、もしかすると、単に弱みを見せたくないがために、怒りの感情を我慢しているだけかもしれません。

猫の場合、ストレスがかかると、過剰にグルーミングしたり、鳴きやまなかったり、粗相したり、モノを壊したりします。このような行動が表れた場合、飼い主さんは、異変の原因を特定したうえで、適切な方法で愛猫のストレス解消に努めてみてください。

2.子供は守るべきもの、怒るなんてとんでもない!

次は、赤ちゃんを含め、おうちに小さなお子さんがいるケースです。

たとえば、赤ちゃんから、両手で顔をフニフニされたり、しっぽを乱暴につかまれたり、手頃なクッションにされたりしても、まったく怒らない猫もいます。一般的には「猫は子供が苦手」が定説となっていますが、いったいなぜでしょうか?

愛猫目線では、よその子は苦手でも、飼い主さんの子供は別格扱いです。他のペットと同じで、いっしょに時間を共有した子供も、大切な家族の一員。多くの場合、猫は、母性(父性)の大いなる保護心のもと、子供を守るべき対象として認識しています。

通りすがりの見知らぬ子供に身体をわしゃわしゃされようものなら、決まって逃げ出します。一方で、子猫同然とみなす赤ちゃんに手荒く触られても、怒ることなく、平然と受け入れます。両者の違いは、自分の縄張り内にいるかどうかも関係しているのでしょう。

よちよち歩きの子供にしっぽを不用意に踏ん付けられてしまっても、「吾輩は子供を守る猫である」というスタンスなので、怒るわけにもいきません。懐の深い先輩のような達観した心境で、ふわふわ歩く子供をやさしく見守ります。

ただし、あまりにも子供の愛情が暴走すると、温厚な愛猫もときには怒ってしまうかもしれません。飼い主さんは、我が子の行き過ぎる愛に対してはそれなりの注意が必要です。

3.本当に気にならないんですよ…

真の意味で温厚な猫は、いろいろな問題が起こっても、感情を荒立てることはありません。その理由のひとつに、子猫の社会化期の過ごし方が適切だった点が挙げられます。

社会化期(生後2~9週齢ぐらい)の間に、猫社会のマナーなど、子猫はさまざまなことを学習します。この時期に、母猫や兄弟猫、あるいは、人や他の動物と適度に関わっていると、健全な愛着レベルが育まれ、以降、人懐っこい性格の猫として成長します。

逆に、早くから母猫から切り離され、他者との関わりが少なかった猫は、精神的にも不安定で、人を含めた未知の存在に対して、警戒心や恐怖心を抱きがちです。突発的な出来事が起こると、パニックに陥り、激怒や威嚇など、感情をむき出しにしてしまいます。

しつこく撫でられたり、抱っこを執拗に求められたり、睡眠中を邪魔されたりしても、温厚な猫の場合、決して飼い主さんに腹を立てることはありません。むしろ、菩薩や観音様のような尊い表情で、愛情に飢えた衆生(飼い主さん)をおおらかに受け止めてくれます。

みなさんの愛猫が慈悲深い子であったなら、生来の穏やかな性格に加え、子猫の社会化期に、人や動物などの他者との交流が順調だった結果かもしれません。つまりは、人間と同じように、猫のケースでも、幼い頃をいかにより良く過ごすかが肝心というわけです。

まとめ

今回は、ポーカーフェイスの裏に潜む猫の気持ちについて考察しました。

愛猫が怒らない理由としては、「弱みを見せたくない」「子供ならノープロブレム」「本当に気にならない」などが挙げられます。

体調不良になっても、弱ったところを見せないのが、猫の基本方針です。あまり怒らないからと言って、飼い主さんがやさしさや寛容さに頼り過ぎていると、いつの間にか、愛猫にストレスがかかってしまうこともあります。

愛猫にのんびり暮らしてもらえるように、普段から早めにストレスの芽を摘んでおきましょう。


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情報提供元: ねこちゃんホンポ
記事名:「 うちの愛猫は『あまり怒らない』けど大丈夫?温厚な性格の猫が秘めている心理3選