愛猫の『ご飯を出しっぱなし』にしないほうがいい?置き餌が危険な3つの理由
猫の置き餌が危険な3つの理由
1.肥満・消化器疾患・糖尿病のリスクが上がる
置き餌がもたらすリスクのひとつは、肥満や消化器疾患や糖尿病といった病気の誘発です。
猫は本来、獲物を捕らえて食べるという行動を通じて、運動と食事のバランスをとってきました。
しかし現代の室内飼いの猫たちは、運動量が不足しがちです。そこに常に食事が継ぎ足されるような環境があると、猫によっては無限に食べてしまい、肥満や消化不良を起こす場合があります。
肥満は、猫の関節に負担をかけるだけでなく、さまざまな病気の温床となります。たとえば肥満の猫はインスリン抵抗性が高まりやすく、糖尿病を発症するリスクが格段に上昇したり、消化器官に絶えず負担をかけて、消化不良や、それに伴う嘔吐や下痢といった消化器系のトラブルを引き起こしたりします。
置き餌が絶対にNGというわけではありませんが、置き餌をするなら、きちんと飼い主が管理をする必要があります。
2.フードの衛生問題・フードの劣化を招く
置き餌はフードの衛生状態を悪化させ、フードの劣化を招く危険もあり、食中毒のリスクを高めたり、栄養価を低下させる原因にもなります。
実はフードは開封した瞬間から、空気中の湿気や酸素に触れて酸化が始まります。
そして酸化が進むと、フードの品質が劣化し、風味や栄養価が損なわれるだけでなく、細菌が繁殖しやすくなってしまうのです。とくに夏のような高温多湿な環境では、そのリスクはさらに高まるでしょう。
新鮮なものと異なり、フードボウルに長時間放置されたフードは、猫の唾液や食べかすが付着し、それがさらに細菌の繁殖を助長する温床となり得ます。
そして衛生状態が悪く劣化したフードを食べ続けると、消化不良など、さまざまな健康問題を引き起こしかねない状態に。
高品質なフードを選んでいても、適切な管理を怠れば、そのフードが持つ本来の栄養価を愛猫に提供することはできません。フードの管理は飼い主が責任をもって管理しましょう。
酸化したフードによって肝臓などの器官に負担をかけてしまうこともあるため、健康を害する危険性もあります。できれば新鮮なフードを都度与える習慣を作ることをおすすめします。
3.健康管理がしにくくなる
置き餌にすると、健康管理が難しくなるデメリットもあります。というのも食事は、愛猫の健康状態を観察する絶好のチャンスだからです。
たとえば食事を与える際に、愛猫の食欲や食べ方、仕草などを注意深く観察すれば、日々の健康状態の変化にいち早く気づくことができます。
いつもはがっつくのに今日は食欲がない、水を飲む量が減った、食べ方に異変があるといった些細な変化は、病気のサインである場合も。
しかし置き餌をすると、こういった猫の体調変化に気づくのが遅れる可能性があります。食事による愛猫からの重要なサインを見過ごしてしまう恐れがあるのです。
また、食事は愛猫との信頼関係を築くための重要な要素。飼い主からご飯を与えたり、優しく声をかけたりすることで、愛猫は安心感を抱き、飼い主に対する信頼を深めます。
「ご飯をくれる人」という認識は、猫にとって非常に大きな意味を持つものなのです。
このようにご飯を与えるというのは、猫の食欲を満たす以外の意味を持ちますが、置き餌にすると、これらの大切な機会が失われてしまう場合もあります。
猫に置き餌をするときの注意点
猫の置き餌はあまり好ましい方法とは言えませんが、それでも置き餌にしないと食べない猫もいます。
そもそも猫の祖先は、成功率約10%の狩りを1日10回ほど繰り返し、狩り→食べる→寝るという生活を繰り返してきました。
そのため「ちょいちょい食べる」方法が猫の本来の習性であり、イエネコであってもそのスタイルを好む猫は珍しくないのです。
とはいえ野生時代と比べると、狩りをしない分エネルギーは余りますし、エサも新鮮ではありません。ですので、家庭で置き餌をする場合は、以下の点に注意しましょう。
1日の総エネルギーを超えない
猫の1日あたりの必要エネルギーを把握し、その分を超えない量のフードを置くようにしましょう。皿が空になったらどんどん継ぎ足していくのではなく、1日単位でしっかりカロリーを管理します。
衛生管理を徹底
猫たちが食べるのは、獲れたての新鮮なネズミではありません。ドライフードやウェットフードです。時間の経過と共にフードは劣化していきますから、定期的に残ったフードは廃棄し、食器もキレイに洗いましょう。
また夏場は特にフードが腐りやすいので、置き餌をやめるか温度管理を徹底してください。なおウェットフードはとくに傷みやすく、置き餌には向いていません。
まとめ
忙しい日々の中、つい便利さを優先してしまいがちな「置き餌」ですが、猫の健康と長生きを願うなら一度見直してみましょう。
今回紹介した置き餌による3つの危険性は、いずれも愛猫の健康に深刻な影響を与える可能性があります。
どうしても置き餌でないとダメ!という猫の飼い主も、体調変化への気づきや、置き餌の管理を徹底し、飼い主だからこそできる大切なケアを行いましょう。
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