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原因の究明のために、様々な検査は欠かせません。
最初の段階でお家でできることは少ないため、まずは動物病院を受診しましょう。このような場合、少しの様子見への選択肢の見誤りが生死を分けてしまう場合もあります。
どんなに動物病院が苦手な子であっても受診する選択をしてあげてください。
病院が苦手で、こまめな受診ができずに過ごしていると程度が悪化してからの受診になるケースが多いため、処置も多くなり、より病院が苦手になってしまう悪循環を作ってしまうこともあります。
では、どのような対策をとれば動物病院へのハードルが下がるのでしょうか。
猫ちゃんにとって動物病院=痛いことをされる場所という認識につながりがちです。
痛いことだけでなく拘束されて行われる爪切りや耳掃除なども同様に嫌なことという認識をする子が多いです。
例えば体重を測りに行く、聴診をしてもらいにいくなどの比較的猫ちゃんが嫌がらないことをしてもらうために受診をするということなどはおすすめです。
また猫ちゃんの周囲への警戒心などの特性に沿った診療システムや施設をもったキャットフレンドリークリニックと呼ばれる認定基準を満たしている動物病院も存在します。
猫ちゃんの苦手と感じるようなほかの動物の声や気配を感じにくいよう、猫ちゃん専用の待合室や診察室を設けていたり、猫ちゃんだけの診察時間を設定しているなどの配慮をされているかなどの基準が設けられており、基準が満たされている動物病院が猫ちゃんにやさしいキャットフレンドリークリニックとして認められます。
もしかしたら、動物病院を苦手としている猫ちゃんも受診のハードルが低くできるかもしれません。
動物病院への苦手意識を減らすことと同時に、移動の苦手意識を減らすことも必要とする場合があります。
動物病院という場所も苦手ですが、苦手な場所に結び付く移動や移動手段となるものも苦手と感じることが多いです。
キャリーケースを見るだけで逃げたり、飼い主さんが出かける準備をし始めるとそわそわして身を隠すというお話も聞きます。
まずは移動手段となるキャリーケースや車に乗ることなどに慣らすことも大切です。
病院に行くときにのみ使用しようとすると、慣れにくい場合もあるため、普段お家で過ごすときにキャリーケースの中でおやつを与えたり、何も移動をせずに車に乗るだけの機会を作り、最初は数分など短い時間から始めて徐々に時間を伸ばして成功できるように慣らすと良いでしょう。
ただし、猫ちゃんはパニックに陥って脱走をする可能性が高いため、キャリーケースなどに入れる際は脱走防止のために施錠をした空間で入ってもらうことや、必ずバッグやキャリーケースなどのしっかりと入り口が閉められるものに入ってもらったうえで車に乗せることなど注意すべき点はあります。
また、あまりにも嫌がったり怖がる場合、猫ちゃんが移動するのではなく往診などの別の手段も検討しましょう。
どんなに不安な環境であっても、飼い主さんへの信頼があると声掛けなどで不安が軽減されることもあります。
しかし猫ちゃんはそれぞれ飼い主さんとの距離感も好みが異なります。普段からどのような距離感を好むのか、どんなものを不安に感じてどういったことで安心できるのかということを把握することが猫ちゃんと飼い主さんの適切な信頼関係を築く第一歩になります。
飼い主さんがきちんと猫ちゃんのことを把握して尊重してくれると猫ちゃんから飼い主さんに対して距離を縮めてくれる場合もあります。
どんな関係性がベストという正解はありません。不安な時に飼い主さんの声を聴いたり触れてもらうことで猫ちゃんが安心できる関係性に慣れると理想的でしょう。
動物病院への受診は健康で長生きをするために不可欠です。しかし、ストレスになり得ると思うと受診にも躊躇してしまうこともあるでしょう。
猫ちゃんとのお別れの時が来るときに、あのときにきちんと受診できていたら良かったという後悔のないよう、どんな時は受診をすべきという基準や動物病院へ慣れてもらうために飼い主さんと猫ちゃんで練習できる方法についてお話させていただきました。
かかりつけの先生との信頼関係も構築し、おうちの猫ちゃんの性格やこんな風に診察してもらいたい、こんなことができない場合にできることはあるかなどたくさんお話しすることもとても大切です。
ストレスなどの負担が軽減されながらうまく受診できるとより飼い主さんも安心できるはずです。