猫が決して口にしてはいけない『危険すぎる飲み物』8つ 安全な飲み物もあわせて紹介
猫には危険すぎる8つの飲み物
あえて与えなくても、飲みかけを置きっぱなしにしていたり、こぼれたものを舐めてしまったりすることで、猫が危険な飲み物を口にしてしまうことがあります。
こうした危険は、意外な場所に潜んでいることがあります。もし、次に挙げる飲み物を飲むときには、十分に注意してください。
1.アルコール
猫の身体はアルコールを分解するのが苦手です。ほんの少量の摂取でも代謝されず、いつまでも血液中にアルコールが残ります。全身にアルコールが回った結果、急性アルコール中毒を引き起こします。
嘔吐やふらつき、低体温、呼吸困難などの症状があらわれ、重症化すると昏睡状態から死に至ることもあります。
ビールなどのニオイに興味を引かれて舐めてしまう事故や、消毒用アルコールで拭いた部分に触れた手足を舐める事故にも注意が必要です。
2.玉ネギ・ニンニクを含むスープ類
玉ネギやニンニクには猫の赤血球を破壊する成分(アリルプロピルジスルフィド)が含まれています。体内に入ると、脊髄で作られた赤血球を溶かしていきます。
症状は、摂取してから数日して発覚する場合があるため、見ていない間に誤飲してしまうと、原因を特定するのが困難になります。食欲不振や元気消失、黄疸、血色素尿などが見られたら、かなり重症です。
この成分は、加熱しても変化せずに残るため、ネギ類の原形がなくてもエキスが入ったスープはすべて危険です。
3.カフェインを含む飲み物
カフェインを含む飲み物と言えば、コーヒー、紅茶、コーラなどがあげられますが、一見するとどれも猫が好んで飲むようには思えません。
しかし、クリームをトッピングしたウインナーコーヒー、ミルクの多いカフェラテやミルクティなどは、猫が口にしてしまう危険性があります。また、テーブルにこぼしたものを舐めてしまう危険もあります。
カフェインは猫の神経や心臓に影響し、興奮や不整脈、けいれん、嘔吐などの症状を引き起こします。重症化すると命に関わることもありますので、飲みかけのカップは片付け、こぼした際はすぐに拭き取る習慣をつけましょう。
4.グレープジュース
ぶどうの危険性はまだ科学的に完全には解明されていませんが、食欲不振、嘔吐、下痢、さらには腎不全を引き起こすことが報告されています。
このことから、ぶどうは猫にとって危険な果物とされていますが、果実そのものが急性腎不全を引き起こすリスクがある以上、果汁(ジュース)も同様に危険だと考えて間違いありません。
ほんの少量でも腎不全を引き起こす可能性があるため、たとえミックスフルーツジュースであっても、グレープ成分が含まれている場合は取り扱いに注意しましょう。
5.人工甘味料を含む飲み物
人工甘味料には、猫にとって安全性が確認されていないものが多く含まれています。特に、一部の人工甘味料は、猫の血糖値を急激に低下させ、低血糖を引き起こす可能性があり、長期的摂取で肝障害になるリスクが指摘されています。
猫に危険な人工甘味料として『キシリトール』が有名ですが、飲み物に含まれることは少ないようです。ただし、人工甘味料にはさまざまな種類があり、猫に対する安全性が確立されていない成分も含まれているため、人工甘味料を含む飲み物は全般、猫には与えない方が無難です。
6.牛乳
「猫はミルク好き」というイメージは根強く残っています。牛乳のニオイに興味を持つ猫もいるためかもしれませんし、離乳直後の子猫は液状のものを好んだり、興味本位で舐めたりすることもよくあります。
「乳糖不耐性症」は、乳糖を消化できないことを指しますが、猫の多くが乳糖不耐性症で、牛乳を飲むと下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。症状の程度は猫によって異なり、牛乳を飲んでも症状が出ない猫もいます。しかし、安全かどうかわからないものを『試しに与えてみる』のは避けた方がよいでしょう。
そのため、牛乳成分の含まれたものは、猫が口にしないよう注意し、飲み物として与える時には必ず猫用ミルクを選ぶようにしましょう。
7.炭酸飲料
炭酸飲料は、高圧で溶けた二酸化炭素が開栓後に圧力が下がることで気体(泡)となり、シュワシュワした口当たりを生み出します。
炭酸ガスは胃の中で気体になり、最終的にゲップとして排出されます。しかし、猫はゲップをうまく排出できる構造にはなっていないため、炭酸ガスが体内に留まってしまい、胃の異常膨張や嘔吐を引き起こすことがあります。
多くの炭酸飲料には大量の砂糖やミネラルが含まれています。特にエナジードリンクには、猫にとって危険なカフェインやそのほかの刺激物が含まれているため、絶対に与えてはいけません。
8.スポーツドリンク
スポーツドリンクは人間用に調整されており、猫にとっては成分が濃すぎるため適していません。特に高濃度のナトリウムや糖分は、猫の体内の塩分バランスを崩し、腎臓や心臓に悪影響を与える可能性があります。
1~2滴程度の少量を舐めてしまっても、アルコールやカフェインのように、急速に命に関わるようなことはありませんが、場合によっては嘔吐や口渇などの症状が見られる可能性もあります。
猫が脱水症状を起こし、緊急処置としてスポーツドリンクを与える場合は、10倍以上に薄める必要があります。ただし、濃度を誤ると健康を害するおそれがあります。ペット用の経口補水液を与え、早急に動物病院を受診することが推奨されます。
猫に与えても安全な飲み物は?
猫に危険な飲み物は、意外にもたくさんあったかもしれません。一方、与えても安全な飲み物にもいくつかの選択肢があります。
猫の健康を守るためには、適切な飲み物を選ぶことが大切です。以下に、安全な飲み物をいくつかご紹介します
- 新鮮な水
- 無塩の鶏肉のゆで汁
- 猫用ミルク
- 猫用スープ
猫にとって最も安全な飲み物は『新鮮な水』です。日本の水道水は多くの場合軟水であり、基本的にそのまま与えても問題ありません。ただし、カルキや塩素が気になる場合は、フィルターでろ過した水を使用すると良いでしょう。
寒い季節は飲みやすいようにぬるま湯にしてもいいかもしれません。ただし、一度口をつけたぬるま湯は冷たい水よりも雑菌繁殖が速いので、飲み終わったら片づけておきましょう。
人肌まで冷ました鶏ささみなどの茹で汁も、猫には好まれる飲み物です。塩などを加えず、味付けをせずに与えれば安全に風味を楽しめます。
また、市販の猫用ミルクやスープも安全です。ただし、これらの製品は猫がおいしく感じるようにできているため、頻繁に与えていると水を飲みたがらなくなる可能性もありますので、たまのおやつ・ご褒美程度に留めるのが良さそうです。
まとめ
猫にとって危険な飲み物8つと安全な飲み物について紹介しました。
ふだん猫に与える食べ物には細心の注意を払っていても、自分が飲んでいるものに関しては、つい油断してしまうこともあります。しかし、猫が口にすると危険な飲み物は、身近にあることがほとんどです。
猫の誤飲事故は、「わざと与えた」ケースよりも「うっかり置き忘れたものを誤飲した」ケースの方が圧倒的に多いのです。
食事中やお茶を飲んでいるときに、飲み物を無意識に置いたり、こぼしてしまったりすることがあるかもしれませんが、猫が誤飲しないよう注意しておくことが大切です。
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