猫に起こりやすい『危険なおしっこトラブル』3選 なかには命に関わるケースも
1.尿の回数が極端に減る(または、増える)
猫の平均トイレ回数は、1日で2~4回がひとつの目安です。この数値を基準にして、極端に減る、あるいは、増えた場合、何らかの病気にかかっている可能性があります
冬場は寒さのせいで猫の飲水量が減りますが、それ以外のケースで尿の回数が少なくなると、尿石症や膀胱炎、腎不全などを疑ってもいいかもしれません。
大昔、野生時代の猫は、砂漠に暮らしていたため、もともと水をあまり飲みたがりません。捕まえた獲物から主に水分摂取し、尿自体も少量で、濃くなりがちです。現在のイエネコにもその体質が受け継がれています。
排尿されずに尿がだんだん濃くなると、尿中に含まれる成分が結晶化し、ストルバイトやシュウ酸カルシウムといった結石に変わります(尿石症)。結石によって尿管や尿道などが詰まって排尿困難に陥ると、尿の回数が減ってしまいます。トイレに何度か入っているのに実際は排尿していない、という状況は尿路の閉塞が疑われるため要注意です。
一方、体重1kgあたりの尿量が50ml以上の場合は多尿と言えます。また、排尿回数で言えば、1日5回以上となると頻尿の可能性があり注意が必要です。
排尿の回数は猫によって異なります。猫自身の元々のトイレ習慣に比べて、明らかな変化があるかどうか、日頃からよく観察しておきましょう。
もし多尿状態が数日間に渡って続いていたら、腎臓病をはじめ、糖尿病、甲状腺機能亢進症などの恐れがあります。
2.粗相してしまう
2つ目のおしっこトラブルは、粗相してしまうことです。粗相の要因には、泌尿器の病気以外にもトイレ環境(不衛生、不適切な設置場所、トイレ形状や砂の変更など)、環境の変化(引っ越し、来客、騒音など)、さらに関節の衰え、認知症などが挙げられます。
もし粗相が続くようであれば、トイレ環境やおうち環境の丹念な見直し、あるいは、愛猫自身のストレス解消などに努めることが大切です。
また、病気の観点で見ていくと、粗相には、前述した尿石症や膀胱炎、腎臓病、糖尿病などが関わっている場合があります。念のために、動物病院の受診も選択肢に入れておきましょう。
猫は、トイレ以外で粗相すると、匂いの残った場所をトイレだと認識します。そのため、以降も同じところで排尿しかねません。万が一、粗相を見つけたら、そのつどきれいに拭き取ったり、洗ったりして、匂いが残らないようにしてください。
3.血尿が混じる
愛猫の尿に血が混じっていた場合、膀胱炎や腎臓病を発症しているかもしれません。膀胱炎の原因は主に、細菌感染、結石によるもの、特発性の3つです。特発性に関しては、理由は特定できないものの、背景にストレスが深く関係していると言われています。
膀胱炎で注意が必要なのは、雄猫です。雄猫の尿道は、雌猫に比べると、細くS字カーブに曲がっているので、結石や炎症産物などが詰まって、尿道が塞がれやすくなっています(尿道閉塞)。
「尿道閉塞」になると、短期間のうちに急性腎不全、尿毒症に陥り、放置した場合、1〜2日内に命を落としてしまう危険性があります。具体的な症状は、食欲不振をはじめ、元気の低下、嘔吐、ほぼ無尿、あるいは、排尿時の鳴き声などです。
血尿に気づいた時点で、飼い主さんは様子見することなく、すみやかに愛猫を動物病院に連れていってあげてください。
最後に、改めて正常なおしっこについて確認しておくと、回数は1日2~4回、色はやや薄めの黄色で、体重1kgあたり50ml以下が、一応の適正値となっています。
まとめ
生まれつき飲水量が少ない猫は、宿命的に泌尿器系のトラブルを抱えやすい動物と言えます。今回は、命に関わる「おしっこトラブル」として、3つのケースを紹介しました。
尿回数の極端な減少と増加、粗相、さらに血尿は、何らかの病気のサインです。猫の病気は発見した段階で手遅れということも多く、尿を含め、愛猫の健康状態をこまめにチェックしましょう。
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