猫の色覚と色の好き嫌い

猫の色覚は、人間よりもかなり制限されていて、青や緑は認識できますが、赤やオレンジなどの暖色のグラデーションはほとんど区別できません。また、赤と緑の違いも明確ではありません。

これは、錐体細胞(すいたいさいぼう)という色を識別するための細胞が、人間と比較すると少ないためです。

猫の色覚は、青と緑は認識できますが、黄色やオレンジ、黄緑などはくすんだ灰色に見えます。暗視カメラの映像を見たことがあるでしょうか?

猫の色覚は暗視カメラに近く、青と緑は淡く見え、赤や黄色は灰色に近い色合いに見えます。飼い主の肌の色は、おそらくもっと白っぽく浮いて見えているかもしれません。

こうした色覚の特徴から、猫の色への好き嫌いも視覚的な要素に影響されていると考えられます。

猫には、視覚的に刺激が少なく、自然界にあるような色が好まれる傾向があります。茶色や緑色などアースカラーと呼ばれるものは、猫の好みにマッチしているでしょう。

あくまでも、猫の好みは色だけでなく、ニオイや触った感じなどの感覚を総合して決まります。そのため、猫が好きな色であっても、ほかの猫のニオイがするものや触り心地の悪いものは「これ、嫌い」と言われてしまうかもしれません。

猫が嫌がる色3選

猫がある特定の色を嫌がるのは、おしゃれのセンスやセルフイメージではなく、猫の目の機能や動物行動学的な特徴が関係しています。安全を求める本能でそれらの色を避けているのです。

ここでは、猫が嫌いな色と理由を詳しく解説します。

1.黒

猫が黒い色を嫌う理由は、猫の視覚的な特徴によるものです。

薄明薄暮性の猫の目は、うす暗い環境でもわずかな光を使って周囲を見られます。ところが、黒い色は、光を吸収してしまうため、その物体が動かないと立体感(タテ・ヨコ・奥行き)を認識しづらくなります。

猫は動体視力が良いので、動きのあるものはわかりますが、動かない黒い物体は形や距離感をつかみづらく、不安を感じることから避けることがあるのです。

2.紺色

紺色のような暗い色合いは、猫には認知しづらい色とされていて、黒と同じような理由で好まれません。

猫が活発になるのは、明け方に夕方の日が沈む薄暗い時間帯です。この時間帯は、猫の目が最も機能を発揮できる時間です。しかし、紺色の物は他の色と比べて周囲との区別がつきにくいため、猫は慎重な行動を取るのでしょう。

ただし、明るい時間帯では、物の輪郭や大きさ、奥行きがはっきり認識できるため、『紺色だから嫌がる』というのはあくまでも仮説にすぎません。

3.真っ白

猫が白を嫌がるというのは、猫の目が明度に敏感なためです。特に真っ白な壁紙など、白は光を強く反射するため、猫の視覚に強い刺激を与えます。

猫の目では、十分な明るさの中にある「白」は光って見えるため、まるでライトを目の前で照らされているようなストレスを感じるのです。真っ白い部屋は、人にとっては明るくて暮らしやすい部屋なのですが、猫にとってはまぶしすぎるかもしれません。

まとめ

猫の視覚や感じ方は、私たちとは異なります。色鮮やかに見える私たちとは違い、猫の見ている世界は、灰色の濃淡のような色合いなのです。

猫の色の好みは、本能的な安全性で決まります。そのため、猫の好みを考慮することは、快適な環境作りにもつながります。

ただし、猫の好みにも個体差があります。愛猫が、どのようなものを好むのかを知ることは、猫にとっても良い生活を送る上で大切なことです。猫の感覚をよく観察して好みのものをそろえてあげてください。


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情報提供元: ねこちゃんホンポ
記事名:「 猫には避けるべき『嫌がる色』とは?嫌いな色3選とその理由 逆に好きな色はある?