多頭飼育の猫たちにしてはいけない『間違った仲の取り持ち方』4選 かえって仲が険悪に?
1.すぐに対面させる
猫は縄張り意識の強い動物です。よって、先住猫にとって新入りの猫は「侵入者」と認識してしまうことも多いもの。初対面からスキンシップやコミュニケーションをとって仲良くできる猫たちは、珍しいのではないでしょうか。
だからこそ、はじめて対面するときは慎重に行いたいものです。最初は物理的にお互いのパーソナルスペースが守れるように、新入りの猫をケージに入れての対面がおすすめ。その部屋に先住猫をお招きする感じで対面させます。
ケージには布をかけて、全部が見えないようにセッティングし、対面時間も少しずつ長くするのがコツ、いきなり猫同士をくっつけるなどもってのほかです。
先住猫はケージ内に「何かがいる」ことを察知し、最初は「シャーッ」と威嚇行動をするかもしれませんが、少しずつ慣れていきますよ。
多頭飼育は、猫たちにとってこれから長い年月を一緒に過ごす相手です。仲が悪いとお互いにストレスとなってしまうので、最初の出会いは肝心です。ケージから出すのは、ケージ超しの反応が落ち着いた頃がよいでしょう。
2.猫グッズの共有
猫が毎日使う食器や水飲み器、トイレなどの生活必需品は、基本的に猫の頭数分の数を用意しましょう。猫が「自分の食器を覚える」というわけではないのですが、頭数分の食器がないと、エサの奪い合いになってしまうことがあるからです。
また頭数分のお皿がないということは、ひとつのお皿からフードをシェアするかたちになります。結果的に「置きエサ」をしがちになり、猫の健康上おすすめできないからです。
また猫のトイレは本来「頭数+1」が理想的なので、トイレも頭数分以上の用意が必要です。
一緒に生まれて育った猫たちであれば共有も可能ですし、仲良しの猫同士であれば最終的にシェアすることもできますが、猫にとってのトイレはとてもデリケートなもの。
「多頭飼育によるストレス」を猫にかけないためにも、猫トイレは多めにセッティングし、いつも清潔にできるよう心がけましょう。
3.「一緒に」を強要する
SNSには、愛猫同士が一緒に寝たりグルーミングをしあったりする仲むつまじい姿が見られることもありますよね。しかし「自分の家の猫たちにも仲良くなってもらいたい…」と憧れるあまり、無理に猫同士をくっつけたり、隣に連れて行ったりするのは逆効果です。
猫にはそれぞれパーソナルスペースがあるので、50㎝から1.5mほどの間隔が必要とされています。猫自身が許容しない相手の場合、くっつくのはストレスの元なのです。いくら同居している猫同士でも、飼い主さんが「一緒に」を強要するのはやめましょう。
4.じゃれ合いの仲裁
室内飼いの猫は、遊んだりじゃれ合うことで運動不足やストレスを解消しています。よって、猫同士が仲良しの場合でも「じゃれあい」をすることが多々あるのです。
猫のプロレスごっこ(ニャンプロ)や追いかけっこなど、「遊びの範疇」だと判断できるものが多いのですが、ときおり遊びがエスカレートして「シャーッ」と威嚇したり「ウーッ」とうなり声をあげることも。
お互いにケガをしてしまうような場合は仲裁しますが、猫はじゃれ合いを通じて、社会性や関係性の構築など学ぶことも多いため、すぐに引き離さずに注意しながら様子をみてみましょう。
まとめ
「イエネコ」としての暮らしが当たり前になった現代だからこそ、飼い主さんが「1人でお留守番するよりも友達(同居猫)がいた方が楽しいだろう」と考えてしまいがちです。
しかし猫は本来、群れを成すことのない単独で生きる動物。なかにはほかの猫と暮らすくらいなら自分だけの方が幸せと感じる猫もいるものです。
多頭飼育をスタートさせるとしたら「猫のために」という考え方ではなく、飼い主さん自身が「猫を飼いたいから」という覚悟をもって、多頭飼育について学ぶことをおすすめします。
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