猫たちの『性格を決定づける要因』5選 生まれつき?それとも環境要因が大きい?
1.父猫の性格
猫が友好的な性格になるかどうかは、父猫の影響を受けると言われています。
父猫が友好的な性格で、社会化期に人と触れ合う機会があった猫は、人との触れ合いを好み、人の近くで過ごすことが多く、友好的な性格になるという報告があります。
また友好的ではない性格の父猫の子供は、一般的に非友好的な性格だとされていますが、社会化期に人と触れ合う機会があると、どちらとも言えない性格になるのだそうです。
ただし生後の母親の影響や、育った環境によっても性格が変わる可能性はあるでしょう。
2.妊娠中の母猫の状況
妊娠中の母親の精神状態や栄養状態も、猫の性格を決める要因になっていると言われています。
たとえば母猫が妊娠中に食事の量やタンパク質が不足するなどで栄養失調におちいった、妊娠中に過度のストレスにさらされたと言った場合には、子猫の性格にも影響を及ぼす可能性があるでしょう。
このような場合は、父猫がどんなに友好的で穏やかな性格の猫でも、生まれた猫は人に慣れず、臆病かつ怖がりで、攻撃的な性格になることが報告されています。
妊娠中の母猫には、安心して過ごせる環境で栄養バランスの優れた食事を与えることが重要と言えるでしょう。
3.猫種による特性
猫の性格を決める要因としては「猫種」も重要となります。猫種によって、ある程度の性格や気質の傾向があるのです。
たとえばメインクーンやラグドールなどの長毛の大型種は、おっとりとした優しい性格の猫が多いです。
一方、ベンガルは活発でワイルドな性格の猫が多いと言われていますし、高貴で優雅なイメージのシャム猫は、おしゃべりで甘えん坊な一面を持った猫が多いと言われています。
このように、猫種によっても性格に違いがあります。猫をお迎えする際に参考にすると良いでしょう。
4.性別
一般的にオス猫は、活発で行動力があり、好奇心旺盛で甘えん坊な傾向があります。メス猫に積極的にアプローチをする必要があるため、また縄張りを広げるためそのような性格になったと言われています。
一方で、メス猫は自立心が強く、神経質で慎重な性格の猫が多いです。これはオス猫よりも身体が小さいことや、子育ての際に周囲への警戒をおこたらないようにする必要があるためです。
個体差にもよるので一概には言えませんが、甘えん坊な猫を期待するならオス猫、猫らしい自立心とツンデレを期待するならメス猫がおすすめでしょう。
ただし避妊・去勢手術を受けた猫は、性別による性格の違いが目立たなくなると言われています。
5.社会化期の過ごし方
ここまでは、先天的な要因を紹介してきましたが、猫の性格を決めるうえでは、生活環境などの後天的な要因も大きいと考えられています。
とくに猫の社交性を養い、猫としての振る舞いなどを学ぶ社会化期(生後2〜7週齢)にどのような環境で過ごしたかは、大きく影響するでしょう。この時期に適切な社会化ができないと、臆病で神経質な性格になります。
一方、適切な社会化期を過ごした猫は、問題行動が少なく、穏やかで社交的な性格になると言われています。
まとめ
猫の性格を決める要因には、父猫の性格や妊娠中の母猫の状況、猫種、性別などの先天的な要素に加えて、社会化期の生活環境があげられています。
ただし性格を決める要因には、今回紹介した以外にもさまざまな要素が複雑にかかわってきます。また飼い主さんの接し方などにも影響を受けます。そのため兄弟であっても性格は異なります。
実のところ、「父猫が社交的な性格だから、社交性が高い」とはかぎりません。今回紹介した要因も、あくまでそういう傾向があるという程度に考えたほうがよいでしょう。
そして、それ以上に大切なのは、目の前にいる愛猫をよく観察し、性格や個性を尊重しながら接することなのです。
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