猫社会にも『上下関係』はある?多頭飼育の猫たちの関係性を見極めるポイント3選
そもそも猫に「上下関係」はあるのか
猫社会の上下関係は、実は非常に曖昧でぼんやりとしたものです。犬の場合は群れの中でリーダーが明確に決まることが多いですが、猫は単独行動を基本とする動物なので、常に強いリーダーが存在するわけではありません。
猫たちはそのときどきの状況や気分によって、互いの関係性を変えたり、柔軟に対応したりすることが多いです。人間の上下関係とは異なり、弱い立場に見えていた猫が他の猫に無邪気に飛びかかるなんてこともみられます。
また、猫の性格も上下関係に影響を与えます。社交的で他の猫と仲良くしたい猫もいれば、マイペースで他の猫にあまり関心を持たない猫もいます。そのため、上下関係が強く見られる場合もあれば、ほとんど見られない場合もあるのです。
猫たちの関係性を見極める3つのポイント
猫同士の関係性を理解することは、多頭飼育をする上でとても大切です。猫たちの関係がわかれば、お互いが心地よく過ごせる環境を整えることができ、トラブルを未然に防ぐことにもつながります。
ここでは、多頭飼育をしている猫たちの関係性を見極めるために知っておきたい3つのポイントをご紹介します。
1.猫同士のボディランゲージ
猫たちは、言葉の代わりに体全体で気持ちや意図を伝えています。例えば、尻尾を高く上げているときは自信があり、逆に尻尾を下げているときは不安を感じていることが多いです。
耳の向きや体の姿勢も、その猫が他の猫に対してどんな態度をとっているのかを示しています。優位に立つ猫は、これらのボディランゲージを通じて他の猫に対して堂々とした態度を示すことが多いのです。こうしたサインをもとに、猫同士の上下関係を観察することができます。
2.食事や遊びの時間での行動
猫たちの関係性は、食事や遊びの時間にもよくあらわれます。食事の際には、どの猫が最初に食べ始めるか、どの場所を使うかに注目しましょう。優位な猫は他の猫を押しのけてでも食べたり、食事場所を奪うことがあります。
また、遊びの時間でも、おもちゃを独占したり、他の猫を追いかける行動が見られることがあります。これらの行動を通じて、猫同士の力関係や優先順位を観察することができます。
3.寝る場所や縄張りの優先権
猫たちは、寝る場所や縄張りに強いこだわりを持っています。特等席と呼べるような場所、例えば日当たりの良い窓辺や飼い主のそばを優位な猫が独占することが多いです。また、特定のエリアを自分の縄張りとして守る猫もいます。
お気に入りの場所に対して、他の猫が近づくと威嚇したり、場所を譲らなかったりすることがあります。寝る場所や縄張りへの執着は、猫同士の関係性や優先権を知る手がかりになるでしょう。
放っておくと危険な上下関係もある
猫たちの間に上下関係が存在するのは自然なことですが、その関係が極端になると問題が発生することがあります。
例えば、特定の猫が常に他の猫に追いかけられたり、食事や寝場所を奪われたりしているようであれば、その猫は強いストレスを抱えている可能性があります。
また、明らかにいじめられている猫がいる場合、隠れがちになったり、元気がなくなることがあります。こうした状況を放っておくと、猫の健康や精神状態に悪影響を及ぼすだけでなく、家全体の雰囲気も悪化してしまうことがあります。
飼い主としては、猫たちの様子をしっかり観察し、問題があると感じた場合は早めに対処することが大切です。
例えば、いじめられている猫に安心できる場所を提供したり、猫たちの関係性を改善するための工夫を行うことが必要です。最悪の場合は、猫たちを一時的に別の部屋に分けるなど、物理的な距離を取ることも選択肢のひとつです。
まとめ
猫たちの関係性を見極め、適切な対応を取ることで、多頭飼育がスムーズにいくことが多くなります。彼らが安心して暮らせる環境を提供するためには、飼い主の細やかな観察と配慮が必要です。
猫たちの幸福を第一に考え、互いにストレスを感じずに暮らせるような環境を整えてあげましょう。
■関連記事
・猫が乗ってくる5つの理由とその心理
・猫が口を半開きにする4つの理由
・猫が大好きという気持ちを飼い主に伝える9つのサイン
・猫が大人しくなる『爪切り方法』試してみたら…まさかの2匹の様子に大爆笑「お笑い芸人w」「昭和の銀行強盗で草」と2万8000再生
・猫が幸せを感じた時にみせる10の仕草