愛猫の『耳が熱い』ときの3つの原因 気になるときは病気を疑うべき?
1.環境要因
猫の耳が熱くなる原因のひとつとして、環境要因が挙げられます。
気温が高い場所や直射日光の当たる場所に長時間いると、猫の体温も上昇し、耳が熱くなることがあるのです。
とくに夏場や暖房が効いている室内では、猫が暑さを感じやすくなります。このような場合は猫を涼しい場所に移動してみて、耳の温度が正常になるまで様子を見ましょう。
2.興奮してるから
猫の耳が熱くなると考えられる原因のなかで、「興奮」があります。
猫は興奮状態になると、体内で心拍数の上昇・血流の増加・呼吸数の増加・筋肉の緊張といった生理的変化が起こり、体温が上昇し耳が熱くなるのです。
耳はとくに皮膚が薄く、視覚・触覚的にも顕著な変化を確認できるため、「熱い」と気づきやすいでしょう。
たとえば遊びすぎ・予期しない出来事・ほかの猫との対峙といったことが引き金となって大興奮すると、耳が熱くなります。
このように猫が興奮によって耳が熱くなるのは、自然な生理反応のひとつです。多くの場合、心配する必要はありませんが、頻繁(ひんぱん)な興奮状態は猫のストレスにつながる可能性があるので注意しましょう。
3.病気に罹患しているから
猫の耳が熱く感じる懸念すべき原因として、病気があげられます。耳が異常に熱いと感じる場合、それは猫の健康状態に何らかの問題が生じているサインかもしれません。
猫の耳が熱くなる原因の病気には、たとえば次のようなものがあります。
耳ダニ症
耳ダニの寄生によって引き起こされる病気です。強いかゆみを生じるため、猫が耳を引っ掻き、さらに耳が赤くなったり、熱くなったりします。
重症化すると耳血腫・中耳炎・内耳炎といった病気を引き起こすことがあり要注意です。
全身性の感染症
ウイルス性や細菌性の感染症により、体が発熱を生じて、耳も熱くなることがあります。
その原因となるウイルスや細菌は多々ありますが、猫パルボウイルス・猫カリシウイルス・サルモネラ・クラミジアなどが有名です。
とくに老猫や子猫といった免疫力の低い猫は発症しやすく、重症化もしやすいため注意しましょう。また成猫でも免疫力が弱まっていると、通常より発症しやすくなります。
熱中症
熱中症は、猫が高温多湿な環境に長時間さらされることで体温調節がうまくできず、体温が異常に上昇する状態を指します。体温が上昇するので、もちろん耳も熱くなります。
猫は人間と異なり汗腺が肉球と鼻先しかなく、その少ない汗腺とパンティングによって体温調節を行います。
そのため人間よりもはるかに体温調節が苦手で、体内に熱がこもりやすいのです。
そしてこの状態は非常に危険で、重症化すると痙攣(けいれん)・意識障害そして多臓器不全を起こして短時間で死亡するリスクがあるので、迅速な対応が求められます。
とくに夏の間は室内が高温多湿になってしまうため、必要に応じてエアコンを活用したり、水分補給を積極的に行い、熱中症を予防しましょう。
動物病院受診の目安
生理的な耳の熱さであれば、基本的に動物病院を受診する必要はありません。しかし、病気による耳の熱さが疑われる場合は、早めに動物病院を受診してください。
たとえば以下のような特徴や、他の症状があるときは、病気のSOSサインであることがほとんどです。「受診の目安」として覚えておきましょう!
- 一時的ではなく、長期間にわたって熱さが続く
- 耳を掻く
- 頭を振る
- 耳の中が赤くなっている、または腫れている
- 食欲不振や元気がない
- 発熱(体温が39度以上)
- 嘔吐や下痢
このような様子が見られたときは、獣医師に相談してください。
まとめ
愛猫の耳が熱いと感じた場合、その原因は多岐にわたります。環境要因や一時的な現象である場合もありますが、感染症や炎症、発熱などの健康問題が隠れていることも。
そのため耳の状態をよく観察し、異常が見られた場合や症状が長引く場合は、速やかに獣医師の診察を受けることをおすすめします。
また予防的な対策として、耳の清潔を保つこと、適切な生活環境を整えること、そして日頃から猫の体調の変化に注意を払うのも大切です。
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