茶トラ猫には「特別の才能」が?

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英国のあちこちに有名な「茶トラ」のオス猫がいることを、ご存知ですか?

病院で患者をなぐさめる「病院猫」や、駅やスーパーマーケットでお客さんとふれあう「人気猫」などなど、人々の前に現れて人懐っこくふるまう猫の多くが「茶トラ」なのです。飼い主は、近所を徘徊したりモノを盗んでくる愛猫の茶トラのことを、近所じゅうに謝りまくったりもしています。

エセックスで活動する猫の行動学専門家Roger Taborさんは、茶トラのオス猫がほかの猫よりも大胆で社交的な理由をこう説明しています。

「体が大きい茶トラのオス猫は、伝統的に人気の種でした。メスは茶色の遺伝子を2つ備えていますが、オスはひとつだけです。そしてオスの茶トラは、他の毛色の猫よりも体重が重いことがわかっています。北米のメインクーンを除けば、オスの茶トラは背が高くて体の横幅も大きいのが特徴です」

ということは体が大きい分、恐れを知らない茶トラ猫が、さまざまな冒険に出かけるのかもしれませんね。

「シャム猫は活発で、ペルシア猫はおとなしいなどという種による性格の違いはありますが、科学的に毛色による特徴の違いは証明されていません。でも飼い主に調査したところ、三毛猫や灰色猫は人見知りするのに対し、茶トラ猫は人懐っこくて愛情深いとの答えが多数でした」

各地で活躍する茶トラ猫たち

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では、実際の茶トラのオス猫の活躍ぶりを、英国内で見てみましょう。

盗人猫Ernieの場合

CambridgeshireのGodmanchesterで茶トラ猫Ernieを飼っているSydney Reidさんは、愛猫のイタズラにはほとほと参っています。これまで白猫、黒猫、キジ猫を飼っていますが、Ernieだけが近所で問題を起こしています。この猫は家々に侵入しては食べ物を盗み続けるので、肥満体形になってしまいました。

「キッチンに置いておいたローストチキンを丸ごと持っていかれた」といわれたこともあるとか。Sydneyさんは、近所の人々に謝ってばかりの毎日です。

スーパーで有名な茶トラ猫たち

食べ物のある場所といえば、スーパーマーケットですね。茶トラ猫はこうした場所にもよくやって来ます。茶トラ猫PumpkinはNorwich近くのスーパー「Tesco」から出入り禁止になりましたが、それでも毎日やってきては、お客さんに愛嬌を振りまいています。

CambridgeshireのElyでは、茶トラのGarfieldがひんぱんにスーパー「Sainsbury」を訪れ、顧客からとても愛されていました。この猫が亡くなると、市内の大聖堂で葬儀が営まれ、記念碑まで建てられたのです。

図書館の人気猫も

3本足の茶トラ猫Jasperは、2017年に飼い主とともにケンブリッジ大学マーシャル経済図書館を訪れて以来、有名になりました。しかも「Jasperとお茶の時間」というイベントまで開かれ、その主役として参加して勉強のストレスをかかえた学生たちをリラックスさせたうえ、みんなのアイドルになったのです。

Norwichにある East Anglia大学では、茶トラ猫Sylvesterが建物やキャンパス内を歩き回り、講義に参加したり図書館の受付で居眠りしたりして過ごしています。この猫のFacebookのページには、学生やスタッフが投稿したこの猫の写真が満載されています。

バイキングとともに各地へ

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「とくにオスの茶トラ猫は社交的で人懐っこいため、あちこち出かけていくことを恐れないのかもしれませんね」というのは、Rogerさんです。

大胆に外の世界へ出て行く茶トラ猫の性格は、バイキングの人々にも好かれていました。

「約50年前にNeil B Todd氏が『Scientific American』誌で発表した論文によると、ヨーロッパとイギリスのバイキングの定住地には、茶トラ猫がたくさん飼われているというのです。バイキングが茶トラ猫を、トルコや黒海周辺からスカンジナビアや英国の居住場所まで運んだと彼は信じています。実際、かつてバイキングの本拠地だったヨークには、今でもロンドンよりもたくさんの茶トラ猫がいます」

「バイキングたちは、特徴的なこの猫の毛色を気に入っていたのかもしれません。でも人懐っこくて、恐れを知らない性質のために、茶トラ猫たちが大胆に彼らの船に乗り込んだのかもしれないとわたしは考えています。茶トラ猫はバイキングと同様、気の合う人には友好的ですが、敵対するオス猫には果敢に立ち向かっていきますよ」と話すRogerさんです。

出典:What makes ginger tom cats so adventurous?


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情報提供元: ねこちゃんホンポ
記事名:「 スーパーや図書館…人懐っこくて社交的な「茶トラのオス猫」がイギリス各地で活躍中