『子猫を保護したら』やるべき3つのこと 体調が急変しやすい幼齢期の猫、気をつけるべきことは
保護する前に
保護する前に、まず、2つのことを確認してください。
ひとつ目は、まわりに親猫や兄弟猫がいないか、ひと通り探してみることです。さまざまなことを学ぶ社会化期(2~7週齢)に、親猫や兄弟猫から引き離されると、社会性がちゃんと身につかなかったり、病気に弱い体になったり、のちのちまで影響する恐れがあります。子猫の一生を左右する問題だけに冷静な判断が必要です。
2つ目は、保護に伴う責任を自覚することです。手厚いお世話がなければ、子猫はたちまち息絶えてしまいます。一時的な保護、将来的な迎え入れ、いずれにせよ、命を預かることの重さを必ず頭に入れておいてください。
保護後はすぐに動物病院へ連れていきたいところですが、状況によっては都合がつかないこともあるでしょう。何よりも優先すべきなのは、子猫の健康と安全を守ることです。次項では、おうちでできるケアの仕方について解説します。
1.寝床とごはんの用意
成猫と違い、子猫は自分で体温調節できません。特に寒い季節は低体温症で命取りになる危険性もあります。とにかく身体を温めることが先決です。
最初に、小ぶりの段ボール箱を用意し、中に柔らかい毛布やタオル、あるいは、フリースなどを敷いてください。生地類の下に人肌程度のぬるま湯入りペットボトルを置くのも効果的です。子猫にとって最適な室温は約30℃。できるだけこの室温を保つようにしましょう。
寝床の他に、栄養バランスのとれた食事も欠かせません。生後4週齢だと子猫用のミルク(専用の哺乳瓶やスポイト、針のない注射筒などを使用)、離乳期をすでに迎えている場合は、子猫用のフード(ドライ、ウエット)を与えてください。
ドライフードはお湯でふやかすと食べやすくなります。ちなみに、人間用の牛乳はお腹を壊すこともあるのでNGです。
気になる授乳の頻度ですが、生後2週齢ぐらいまでは約2~4時間ごとがひとつの目安です。それ以上の週齢は、4~5時間ごと。授乳時は、気管に詰まらせないように十分に気をつけてください。一日7~13gぐらい体重が増えていれば、順調に育っている証拠です。
2.うんちやおしっこのお手伝い
もし保護した子猫が生後3週齢未満だった場合、自力では排泄できません。親猫の代わりにうんちやおしっこのお手伝いが必要です。タイミングは、授乳時の後。濡らしたティッシュやガーゼ、脱脂綿などで、子猫のお尻をやさしくポンポン叩いてください。刺激に促され、おしっこやうんちが出てきます。
母乳で育った子猫のうんちは、本来、濃緑、あるいは濃いめの茶色ですが、子猫用のミルクで授乳すると、練りカラシのような色つきになります。あまりに水っぽいと下痢のサイン。その際は、ミルクの濃さや分量の微調整が不可欠です。
排泄後は、ウエットティッシュなどできちんと拭き取ってあげると、ただれ防止になります。お手伝いするときは、お尻の皮膚を傷つけないように注意しましょう。
3.動物病院へ連れていく
前後しても構わないので、動物病院の受診は必ず済ませておきましょう。受診時は、健康診断をはじめ、月齢、性別、体重測定などの基本的なことをチェックできます。また、ノミ・ダニ、寄生虫の駆除やワクチン接種も可能です。
動物病院は自由診療制で、各病院によって料金設定はさまざまです。一般的な相場として、初診料が約3000円、健康診断は約5000~1万円、ノミ・ダニの駆除は約1000~2000円、ウィルス検査は約3000~5000円となっています。
ワクチン接種の時期は、生後6~8週齢に1回目、その3~4週間後に2回目が推奨されています。3種混合ワクチンの費用相場は、約3000~5000円。ワクチンの中身は、猫伝染性鼻気管炎、猫カリシウィルス感染症、猫汎白血球減少症(猫パルボウィルス感染症)の3つとなっています。
まとめ
今回は、子猫の保護時に注意すべき点を3つに分けて紹介しました。温かい寝床と栄養たっぷりの食事、排泄の補助、さらに動物病院の受診。いずれも大切な要素です。
いったん保護すると、徹夜も必至で、相応の責任と労力を自覚しなければなりません。もし自分で飼えないなら、保護猫団体などに相談し、里親を探してあげましょう。
繁殖期を迎える3~5月は、とりわけ子猫との出会いが多い季節です。みなさんの適切な対応で、より多くの子猫たちの命が助かることを願わずにはいられません。
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