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猫は夜行性と思われがちですが、実は「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)」の動物です。薄明薄暮性というのは、日の出や日没の薄暗い時間帯に活動する習性のこと。
具体的には、夜明けや日が沈む時間帯に猫が活動的になり、狩猟や探索を行うことが多いとされています。というのも猫の獲物となるげっ歯類は、明け方や日没に活発になるからです。
早起きの猫が多いのも、この習性に関係があるからと考えられます。
【縄張り】
猫は縄張り意識が強く、自分の縄張りを守るために行動します。これは野生時代から受け継がれてきた本能的な行動です。
縄張りは、猫が安全で安心して生活するための重要な空間。ですので猫は自分の縄張りを侵害されることを嫌い、他の猫や外部の要因からの侵入を警戒します。
そして猫は縄張りを示すために、縄張り内を歩き回ったり、マーキング(顔をこすりつける、尿をまき散らす、爪とぎをするなど)を行ったりして、他の猫に「この縄張りは私のものだ」とメッセージを送るのです。
【水をあまり飲まない】
猫の祖先のリビアヤマネコは砂漠地帯に生息していたため、体内で尿を濃縮し、少ない水分を効率的に利用する能力が優れています。
そのため摂取した獲物から水分を摂り、直接水を飲むことはそれほど多くありませんでした。
それがゆえにのどが渇きを感じづらい体質になっていて、イエネコでもこの習性が残っているためか、水を積極的に飲もうとしません。
しかし、イエネコの多くはドライフードを食べており、祖先と同じように食事からは水分を補えないため、尿路結石や腎臓病といった泌尿器疾患リスクが高まってしまいます。
ですので飼い主は意識的に新鮮な水を用意し、飲水をうながすよう心がける必要があるのです。
【きれい好き】
猫は身なりや周囲の環境を非常に気にする、きれい好きな動物です。その証拠に頻繁(ひんぱん)にグルーミングでセルフケアをしたり、汚れたトイレや食事を嫌がったりします。
そのため飼い主は定期的にトイレや猫の生活空間を掃除し、猫の居場所を清潔に保ってあげなければいけません。
【単独狩猟動物】
猫はライオンのように群れて暮らしたり、仲間と一緒に協力して狩りを行うということはありません。完全に「単独狩猟動物」なのです。トラやチーターと同じですね。
また犬のように服従関係もないので、飼い主を「主」と思い、忠実に従うことは滅多にありません。
※「滅多に」といったのは、猫のなかでも飼い主を主と思い「しつけ」を理解できる子がいるからです。
とはいえほとんどの場合は、飼い主を「いつも一緒にいる生き物」「自分を取り巻く環境」「母猫の代わり」と思っており、「主」とは思っていません。
ただそんな猫ですが、飼い主に愛がないわけではありません。実は飼い主の動きをいつも観察して、離れる時間が長いと寂しさを感じてしまう、ザ・ツンデレな生き物なのです。
猫の知能は人間の子供(2~3歳)程度といわれています。
脳化指数(知性の指標のようなもの)でいうと1.0です。ちなみに人間は7.8、カラスは1.25、ライオンは0.6なので、まったく何も理解できないことはまずないでしょう。
これまでに行われてきた猫の研究でも、猫は飼い主の声を理解して聞き分けたり、自分の名前を理解できることがわかっています。
しつけを学ばないので「犬より頭がわるい」と思われることもありますが、実はそんなことはなく、服従関係がないため猫が「覚える気がない」だけなのでしょう。
脳化指数は犬(1.2)よりは多少低いですが、猫もその気になればしつけなどお手のものなのかもしれません。
猫は、愛らしい容姿と気まぐれな性格で魅了される人気のペットです。そしてその猫と暮らすためには、猫の特性を理解することが重要であるともいえるでしょう。
今回は猫の寿命・食性・習性など、猫と暮らすために知っておくべき情報を詳しく解説しました。愛猫との暮らしをより充実したものにするためにも、ぜひ参考にしてくださいね。