愛猫の見逃し厳禁な『食べ過ぎサイン』3つ 放置していると起きる健康トラブルも
1.嘔吐
猫はもともと必要な分だけを食べる動物なのですが、食欲旺盛な猫のなかには、与えられたら与えられた分だけペロリと食べてしまう子がいます。
そして、多すぎた食事は消化器官への負担となるため、嘔吐して体内から排出しようとします。
猫は食道から胃にかけて違和感があると、すぐに吐き出せるような構造になっているためです。これが、猫はよく吐く動物だと言われる所以です。
食後すぐに未消化の食べ物の塊を嘔吐するときは、食べ過ぎも原因のひとつかもしれません。
特にドライフードの場合は、大量に食べた直後に水を飲むと、体の中で水分を吸ってふくれ、嘔吐しやすくなります。
2.便の異常
食べ過ぎは、軟便や下痢、ときには血便などの消化器系の問題を引き起こす可能性があります。
猫は完全な肉食動物なので、本来であれば獲物の肉しか食べません。消化にかかる時間も雑食の人間と比べると、半分〜1/3程度の時間で排泄に至ります。消化に時間がかからないため、腸も短くできています。
食べ過ぎによって軟便や下痢が起こるのは、大量の消化物がドンドン押しこまれて、短い腸で栄養や水分の吸収を十分に処理する時間がなくなるせいです。
また、食べた物が滞留することで、腸内細菌のバランスを崩して腸炎を起こし、炎症性の粘血便や血便が出ることもあります。
消化器系の問題が続くと、栄養不足や脱水などの深刻な状態に陥る危険もあるため、注意が必要です。
3.体重の増加
家庭内で飼われている猫の多くは、運動不足だと言われています。
エネルギー消費が少ない猫が食べ過ぎれば、余分な脂肪として蓄積されて体重が増えます。もし、ボディコンディションスコア(BCS)の上昇が見られたら、肥満に近づいている兆候かもしれません。
BCSとは、猫の体型を見た目で、BCS1(痩せ)からBCS5(肥満)の5段階に分け、肥満度を評価する目安です。次のようなポイントから、判定します。
- 上から見たときに腰のくびれはあるか
- 肋骨や背骨が触れるか
- 腹部は後肢に向かって高くなっているか
- 脂肪の厚さ
BCS1~2(痩せ~やや痩せ)では、猫を上から見た状態で腰のくびれがあり、横から見た腹部も、後肢に向かって吊り上がります。
一方、BCS4〜5(やや肥満〜肥満)になると、上から見たときにくびれがなく、横から見ると胸部と腹部は平行、または腹部が垂れ下がっていることがわかります。
理想的な体型は、BCS3です。くびれも腹部の吊り上がりもあり、肋骨や背骨が浮き出ず、わずかな脂肪に覆われて肋骨が触れる程度に肉付きがある状態です。
高BCSの肥満体型は、猫の健康問題を引き起こす原因となるため、特に注意が必要です。
猫の食べ過ぎを防ぐためには?
猫の食べ過ぎを予防するためには、まず飼い主自身が問題意識を持つことが何より大切です。
日常的にできることは、決してむずかしいものではありません。
以下の3つで、愛猫の食べ過ぎを防ぐことができます。
食事は計量して与える
愛猫にとって、食事を適量で与えることは健康維持につながります。
特にドライフードは、少量で高エネルギーとなるため、目分量ではなく、必ず計量器で正確に計る習慣をつけましょう。おやつにも注意が必要です。
動物性タンパク質を重視したフードを与える
猫の食性に合ったタンパク質を多く含むフードを選ぶと良いでしょう。
猫の体は、糖質をエネルギー源として効率的に利用できません。そのため、炭水化物を主なエネルギー源とするフードを与えすぎると、肥満になる可能性があります。
動物性タンパク質が主要のフードであれば、必ずしもグレインフリーでなくてもかまいません。
ただし、主食は必ず「総合栄養食」と書かれた栄養バランスの整ったフードを与えましょう。
定期的な体重測定
定期的に体重チェックをして、体重が増加傾向にあれば即座に食事の量や質を見直しましょう。ペット用体重計がない人は、猫を抱っこして計測したあと、自分の体重を引けばOKです。
猫の体は、エネルギーを節約して体型を維持するようにできているため、一度肥満になったあとのダイエットはとても難しくなります。
安易にダイエットさせると健康を害する危険もあるため、食べ過ぎを防ぐことが重要です。
まとめ
猫が食べ過ぎているときに見られる特徴について説明しました。
本来の猫は、狩りをして自分に合った量を食べるものですが、飼い猫の場合には、与えられた分が多すぎる場合に食べ過ぎてしまうことがあります。それだけキャットフードもおいしく作られているということもあるでしょう。
嘔吐や下痢は、一般的な消化器疾患でも見られることなので、様子見には慎重になる必要もあります。
食べ過ぎてあらわれるサインでもっとも顕著なものは、肥満です。ぽっちゃりした猫はかわいいものですが、肥満は猫の健康を損なう重大な要因となるため、太り過ぎになる前に対策するようにしましょう。
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