わたし人間ですがニャにか?愛猫が自分を『人』だと思っていそうな5つの行動
1.テレビを見る
ときどき、テレビに夢中になってしまう猫がいます。
猫は視力があまり良くないので、全体的にぼんやりした風景を見ていると考えられています。
一方、動体視力はとてもいいので、常に動きのあるような映像は、猫にとって恰好の楽しみになることがあります。
特に小動物や鳥類が出ている番組では、「獲物」の動きと鳴き声が流れるので、猫はテレビ画面に夢中になってしまうでしょう。
なかにはサッカー中継のように、ちいさな集団が右に左に走っている映像を楽しむ猫もいます。スポーツ好きの飼い主さんは、愛猫と一緒に試合を楽しむことがあるかもしれませんね。
ただ、猫の色覚は人間ほど鮮明ではありません。そのため、「何色のユニフォームがどっちのチームか?」までは、見えていない可能性もありそうです。
2.寝るときに枕を使う
猫がちょっとした段差や飼い主の枕を使って眠る姿を見たことがあるでしょう。これには生育過程にヒントがあるのです。
幼猫は、体温調節の機能が未熟なため、母親が離れているときには子猫同士で身を寄せ合って過ごします。低体温を防いで、安心感を得ることができます。その際にほかの兄弟猫の身体に、アゴや頭を乗せて眠ることがあります。
こうした習慣を身につけた猫は、大きくなったあとも眠るときに何かしらを枕として使うことが多くなります。
猫の肩の骨格は、横になって寝るときに頭部との高さとの差は小さく、解剖学的に見ても枕が必要な身体ではありません。
そのため、枕は猫にとって不可欠なものではなく、単に睡眠時の安心感や子猫のころのなつかしさを求めて枕を使っているのだと考えられます。
3.足を投げ出して座る(スコ座り)
猫はときどき、人間のように足を前に投げ出して座る姿勢を取ります。「あぁ、疲れた!」なんて思っているのでしょうか。
おなかを出してうしろ足を前に投げ出す座り方(通称:スコ座り)は、人間が直接床に座っている姿によく似ています。
スコ座りは、しっぽの付け根にある骨(仙骨)を座面にして、腰の骨(腰椎)をグッと折り曲げた状態に折り曲げます。つまり人間であれば、腰で座っているようなものですね。
人の体ならかなり無理をしている姿勢ですが、猫の場合は、脊椎が柔らかいためにできる技なのです。
この姿勢をするときには、無理のないところですることが多いものです。近くに背もたれになるような場所や座面にクッション性のある場所などでよく見られます。
座っている姿は微笑ましいものですが、なかには関節異常の痛みからスコ座りになる猫もいますので注意が必要です。
4.器用に手を使う
片手で扉を開けてみたり、ドライフードを手ですくってみたり、猫はまるで人間のように手を器用に使います。
「中の人」の素性が出てしまっているのでしょうか。
これまでの猫は獲物を捕まえたり、木に登ったりするため、腕が内側・外側に大きく稼働するように腕の筋肉が発達してきました。これはイエネコ以外の大型ネコでも同様です。
野生時代に進化したネコ科動物の身体能力は、飼い猫になっても変わりません。
人から食事をもらえるようになり、もう走り回るネズミを捕まえることも、大きな木の上に登ることもなくなった猫は、その能力を家の中でいかんなく発揮しているのです。
特に引き戸を開けられる猫は少なくありません。脱走防止をするためにも、外への扉は必ずカギも付けるようにしましょう。
5.ひとの言葉が通じる
動物の鳴き声は、種類によって、大きさ、周波数(高低音)が異なり、進化する過程で生存に不可欠なコミュニケーション手段として身に付けられてきました。
飼い猫がいちばんよく聞く動物の鳴き声は、人間の言葉です。猫は飼い主から学んだ言葉を理解しているので、飼い主から見ると、まるで猫が人の言葉を理解しているかのように見えることもあります。
名前を呼ぶ声に反応すると、飼い主は撫でたり褒めたりするため、自分の存在を認めてもらえます。飼い主の「ごはんよ〜」という鳴き声を聞けば、おなかが満タンになる合図です。最近では具体的な商品名を覚えてしまう猫ちゃんもいるようですね。
しかし、猫からのおしゃべりは別問題です。猫の声帯は、人間の言葉を発音できるほどには進化していないので、いまはまだ、がんばっても「あ」「お」「ん」の変形しか出せません。
そのため、きょうも「にゃぁ〜ん」と鳴いておくのです。あとは人間が理解してあげましょう。
まとめ
猫がたまに見せる人間っぽい行動の裏には、猫の身体ならではの秘密が隠されていました。
猫がもともとの身体能力や習性を活用し、人間のような行動をすると、まるで動物とは思えないほど「ホンモノ」らしい行動に見えるのです。
一緒にテレビを見たり、話しかけた言葉が通じたりするのは、猫と暮らしていて楽しいと感じることのひとつではないでしょうか。
猫は好奇心旺盛なので、飼い主の習慣や言動をよく観察して人間の生活を学んでいます。そのため、人と暮らす猫は年齢を重ねるほど、だんだん人間ぽい行動を取るようになってくるのです。
今回は5つしか紹介できませんでしたが、ほかにも猫の人間っぽい行動が見られることでしょう。
あなたの愛猫は、どんな「人っぽい行動」を見せてくれますか?
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