猫が脱走した時にすぐにやること!

猫が脱走したことに気づいたら、すぐにやること(できること)があります。

時間がたつほど猫の居所が読めなくなるので、捕獲が難しくなってしまいますし、ふだん室内飼いの猫は、早くみつけてあげないと、猫同士のケンカや事故に巻き込まれるなど命に関わる危険性が高くなってしまいます。

最初の3日は特に重要です。猫が家の中にいないと気づいたら落ち着いて順番に対処しましょう。

走って追いかけずに優しく呼びかける

猫をうしろから急いで追いかけたり、大きな声で呼んだりするのは厳禁です。

外に出てしまった猫の心理としては、好奇心半分、恐怖心半分という興奮状態なので、慣れた飼い主でも、うしろから近づくと逃げる場合があります。無理に追いかけることでパニックになって飛び出し事故に遭う危険もあります。

基本は小さな声で優しく呼びかけること。遠くにいても聞こえるような大きな声で呼んでしまうと、逆に猫を驚かせてしまいます。ふだん寝ている猫にそっと話しかけるくらいの声の大きさでも猫には聞こえます。

飼い主が落ち着いて行動することで、猫が近くにくればサッと連れ戻すことも可能です。

脱走してすぐなら家の周辺をくまなく探す

猫はふだん行かない場所では、いきなり広範囲に行動することはありません。脱走に気づいたら、とにかく自宅敷地内と近所をくまなく探してみましょう。
 
テリトリーである家から出たばかりの猫は、半径50m程度しか移動しないと言われています。

すぐにみつかるケースでは、自宅の敷地内や隣家の庭先、建物の隙間の物陰に隠れてしまっているケースが多いようです。住宅街では、他人の敷地内には入れないので捜索が難しくなると思いますが、事情をお話してできるだけ協力を頼むようにしましょう。

猫が自分から帰ってくることはあまり期待せず、同じ場所であっても時間を変えて何度か確認した方が見つかる可能性はアップします。

警察・保健所・動物病院・動物愛護センターに連絡する

猫がいなくなったらできるだけ早い段階で、警察、保健所、動物愛護センター、近隣の動物病院に連絡しておきましょう。もし猫が保護されたら、飼い主に連絡がつくようにするためです。

法律上、猫はモノとして扱われますので近隣の警察では遺失届を提出します。(インターネット上から届け出ができる警察署もあります)保健所や愛護センターでは迷い猫登録をして、収容されたら飼い猫だとわかるようにしておきましょう。

負傷動物として保護されるケースでは、自然治癒が望めないほど重症な場合、飼い主不明のままでは殺処分されてしまう可能性があります。万が一、事故にあって道路上で死亡していた場合、自治体の道路清掃局で対応されている場合があるので聞いてみてください。

近隣の動物病院には猫を探している旨のチラシを作成して貼らせてもらうと良いでしょう。保護した人が病院へ連れてくるかもしれませんし、猫が好きな人が気にしてくれ、見かけたときに連絡をくれるかも知れません。

脱走した猫を探す際のポイント

脱走した猫は付近の身を隠せる場所にじっと潜む傾向にあります。車の下や植え込みの陰、エアコン室外機の下など、暗くて地面に近く他の猫や人目につきにくい場所にいるかもしれません。

なるべく早く、安全に、なおかつ効果的に見つけるために、探すときのポイントも抑えておきましょう。

早朝や夜などの人や車が少ない時間を中心に探す

外にいる猫は、時間帯によっては動かないで同じ場所でジッとしています。

特に室内だけで生活していた猫にとっては警戒心が高まっているため、人や車の往来など物音がする昼間の時間帯は安全のためにできるだけ隠れようとするのです。

早朝や日没後、夜中になってから動き出すことがありますので、その時間帯を狙って探しに行くとよいでしょう。食べ物などを置いておびき寄せるには、特に周囲に人の気配がなくなってきた時間帯が最適です。

使用済みの猫砂を家の周りにまく

猫には帰巣本能があるため、家から離れてしまい麩なれば場所を通っても本能的に元の場所に戻ってこようとします。しかし、同じような家が建ち並ぶ住宅街では、近くまでは来ても正確な位置がわからずに家まで帰れないことがあります。

猫の尿には個体別のニオイが含まれているため、使用済みの猫砂を家の周りにまくことで自分のニオイを認識できるので、帰ってくることが期待できます。たくさんでなくてもよいので、自宅の庭や玄関回りなどにまいておきましょう。

ただし、雨に濡れてしまうとニオイがなくなったり、鉱物系の砂などが水を含んで固まってしまうことがあります。また、近所に野良猫が多いところでは、まいた猫砂にマーキングされてしまうと逆効果になってしまう可能性もあります。

ポスターやSNSを利用して情報提供を呼びかける

猫の居場所がわからなくなった場合は、近隣のお店や施設にポスターを貼らせてもらう、Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSで情報提供を求めてみるのも有効です。

特にSNSはパーソナライズされている事が多く、投稿に対して同じ猫好きや比較的近くの人が目にする機会が多いので目撃情報が集まる可能性が高いからです。

具体的には、名前・年齢・いつ脱走したかと大体の場所、猫の全身の画像が何枚かあると見つける側の手掛かりになります。

身体に特徴があればわかるように示しましょう。画像はできるだけ直近のものを使用し、他の猫と映っている写真は混同を避けるため控えましょう。ポスターを作成するときも同様です。

不特定多数に聞ける代わりに、誰かもわからない人に情報を提供することとなりますから、自宅や個人情報の特定などに気を付けて活用するのもよいでしょう。

好きな食べ物の音でおびき寄せる

食べ物の音が聞こえたことで、隠れている場所から出て来てくれることがあります。

室内で飼われている猫は、外で空腹を満たすための術を知りません。時間が経って空腹を感じてきたら、狩りやゴミあさりをするよりも、自分が食べなれた食べ物を先に欲しがるからです。

缶詰を軽くカンカン鳴らしたり、ドライフードの袋を揉んでガサガサした音を立てたりしてみてください。小さな声でいいので名前を呼んであげると、おうちでの食事のことを思い出すかもしれません。

夜間にやる場合は近隣への迷惑にならないようご注意ください。

猫の生態にくわしい第三者に協力を依頼する

友人や近所の人などで猫の生態にくわしい人がいれば、一緒に探してもらえないか相談してみましょう。費用は高くなりますが、プロのペット探偵に捜索を依頼する方法もあります。

最近では、ペット探偵の認知度もあがり、かなり業者数も増えてきました。プロの場合は、飼い主がこれまでできなかった方法や特別な道具を使用した捕まえ方で保護してくれることがありますし、夜間でも捜索してくれることがあります。

脱走した猫のことは心配ですが、お仕事や小さなお子さんやお世話や必要な家族がいる場合には、猫の捜索にかかりっきりになるのは難しいこともあるでしょう。人手が必要な捜索には、頼れる人に手伝ってもらって、はやく猫をおうちに戻してあげましょう。

猫の脱走を防ぐには?事前にできることはある?

人間向けに作られた住居で猫を飼う以上は、猫が脱走しないようにあらかじめ工夫しておく必要があります。

猫は身体が柔軟なので、ほんの少しの隙間でも通り抜けてしまいますし、集合住宅のベランダなどから落下してそのまま逃げてしまうケースもあります。

事前に対策をしておけば、あとはちょっとした注意で脱走は防げますよ。

玄関や窓などに脱走防止対策をほどこす

玄関や窓はふだんから開け閉めを頻繁に行いますので、閉め忘れや足元からのすり抜けで猫が出てしまう可能性の高い箇所です。網戸にしていても、自分で開けてしまう猫も実は少なくありません。

玄関からの脱走防止には、土間(靴を脱ぐところ)まで来られないように、二重扉にする脱走防止の柵が市販されていますので利用するのもよいでしょう。

もしDIYで自作する場合は、2×4木材を床から天井までの高さに切り、壁左右に1本ずつ固定して外枠を作ります。

賃貸で原状復旧が必要な場合は、ディアウォールやラブリコなどを使用して、あとで外したときに跡が残らないようにしましょう。ラティスなどで扉を作り、上部が開いている場合は、ネットなどを張って隙間のないように仕上げます。

窓からの脱走防止には、ワイヤーネットが利用できます。突っ張り棒に結束バンドでワイヤーネットを留めましょう。窓枠に合わせて伸縮させて固定するだけなので簡単に設置できます。材料も100均グッズでそろうのでコスパもよいですね。

マイクロチップを装着する

令和4年6月1日から、ブリーダーやショップに対して販売される猫へのマイクロチップ装着が義務化されました。すでに猫を飼っている飼い主に義務はありませんが、マイクロチップの装着は推奨されています。

マイクロチップ自体は、脱走防止にはなりませんが、外で保護・捕獲された際に、動物病院や保健所などで飼い主情報が読み取れるため、戻ってくる可能性が高くなります。

飼い主情報がわかれば、保護されたあとに戻ってきやすくなりますので、室内飼いの猫でもマイクロチップをして飼い主情報を登録しましょう。(登録費用はオンライン300円、紙申請1,000円)

マイクロチップの新規装着は数千円〜1万円前後で動物病院によって違います。自治体によっては、マイクロチップ装着助成金を出しているところもあります。

体内に入れるマイクロチップは怖いので迷子札のついた首輪をしようと考える人もいるかもしれませんが、首輪は外に出たときに外れてしまう可能性が高いため、個体識別の方法としてはあまりおすすめできません。

去勢・避妊することで脱走するリスクが減る

飼い猫に去勢・避妊をすることは、繁殖をコントロールするためだけではありません。

未去勢・未避妊の猫は、発情期になると本能的に相手を探そうと外に出たがるようになります。猫の生殖メカニズムとしては、発情したメスがいると呼応するかたちでオスたちも発情がはじまります。

その影響は猫の性別に関係なく、人間が容易にコントロールできるものではありません。軽く脱走防止をしたくらいでは、強引に破壊して出て行ってしまうくらい強力です。

脱走のリスクを減らすためにも、繁殖させない猫には去勢・避妊をしてあげましょう。

家の中での生活を猫の性質に合わせる

猫は快適さを知っている動物です。自分の欲求を満足させてくれる環境から逸脱することを拒む性質があります。繁殖期の本能的な衝動に駆られた脱走を除いては、猫の脱走防止には、外よりも家の中が魅力的であることが効果的と言えます。

猫が好む環境は、

  • 暑い時には涼しく、寒い時には暖かく、静かな環境
  • 食べ物やトイレが自分好みである環境
  • 狩猟本能(探索欲求)を思う存分発揮できる環境

などです。

季節に合わせた室温や食べ物などには、十分気をつけてあげている飼い主さんは多いと思います。

しかし、定期的に猫じゃらしなどで遊んであげても、探索欲求が満たされていないと好奇心旺盛な猫はどうしても探検しに外へ行きたがってしまいます。家の中にあるモノに慣れてしまい、飽きてしまうのです。

猫には、狩猟本能のひとつである「隠れているものをゴソゴソとあさる」「真っ暗闇に何があるのかを探す」など探索欲求を満たす遊びも必要です。ダンボールで迷路を作ったり、紙袋トンネルを与えたり、箱の中におやつを入れて自分で取らせるような探索欲求を刺激する遊びをしてみてください。

猫が本来持つ欲求を満たしてあげることで、外へ出て遊びたい気持ちを軽減できることでしょう。

まとめ

脱走した猫がみつかったら、慎重に捕獲して連れて帰りましょう。捕獲する際は興奮するといけないので、飼い猫であっても素手で捕まえようとするのはやめましょう。

猫のにおいのついたブランケットやバスタオルなど、体を頭からすっぽりと包めるもので包みます。運搬にはできるだけキャリーバッグを使う方が、逃げ出すことがなく安心です。

もしケガや不調があるようなら、そのまま病院へ連れて行って診てもらいます。元気そうであってもノミやダニが寄生やあとで下痢などの症状が出るかもしれませんので、頃合いを見て一度受診するのがよいでしょう。

無事に見つかった後は、届け出をした警察や保健所、動物病院などにみつかったことを伝えるのを忘れないようにしてくださいね。


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情報提供元: ねこちゃんホンポ
記事名:「 猫が脱走したらどうする?探し方や脱走防止対策を解説!