「犬猫にあたたかい家庭の雰囲気を!」3日間だけの短期里親制度が大好評 米国
経済的苦境でペットを手放す人々
全米各地で経済状態の困窮に悩む家庭が増えています。それがペットにも影響を与えています。
全米データベース「Shelter Animals Count」によると、経済的苦境のため、2023年だけで4万600匹以上の犬と猫がユタ州の保護施設に引き渡されています。
保護団体「Best Friends Animal Society」は、こうしたペットたちに少しでも家庭の幸せを味わってほしいと、「ホリデー里親制度」を実施しました。クリスマス前の数日間、45匹の犬猫が里親家庭で過ごし、なかには、そのまま家族として迎えられた幸運なペットもいました。
家庭では異なる表情を見せる犬猫たち
施設では怯えて不安そうな犬猫も、家庭の環境に入ると落ち着く可能性があります。制度の責任者Melissa Martinezさんは、次のように語ります。
「環境によって、動物たちの態度は大きく変わります。施設では内気な猫でも、家庭の環境ではまったく別の猫のように明るく自然にふるまうのです。だからたとえ2、3日の短期間でも、動物に飼い主を見つける大きなチャンスになります。家庭環境の中でリラックスすることで、本来の性格がわかりますからね」
「ペットを飼いたい人間にとっても、関係を築くための時間が持てます。動物を飼いたいかどうかわからない人もいますが、里親になることで、家にペットがいる生活について、理解できるようになるのです」
どの動物保護施設も、ペットであふれかえっています。とくに猫は、このところ大量に保護されてきています。そのような状況を解決する手段として、今回の制度が始まりました。自宅で犬猫のリラックスした姿に接することができるし、動物の行動や好みについての情報を得ることもできるのです。
クリスマス以外の時期にも拡大を
気軽にできる数日間の里親制度に、関心を寄せるボランティアも少なくありません。
「人間にとっては短期間なので負担が少ないし、ペットにとっては休日を暖かい家庭で過ごせるのですから、いいこと尽くしです」
この制度を通じて犬猫が飼い主を見つけられれば、施設にスペースの余裕ができて、さらにほかの動物を救えることにもなります。
「動物は安心してリラックスできるし、施設で保護する動物も増やせるので、一石二鳥です」とMelissaさん。
この制度では、「Best Friends Animal Society」がフード代・トイレ費用、おもちゃ代を負担します。すでにクリスマス休暇は終わりましたが、同団体では、ほかの時期にもこの制度を広げることを検討中だそうです。
出典:Holiday foster program combats crisis of Utah animals facing shelter life
■関連記事
・猫が「あごのせ」してくる5つの心理
・猫の座り方6種類!座り方でわかる猫の気持ちや病気とは
・猫は『好きな人』と『嫌いな人』を区別している
・猫を室内飼いするのはかわいそうなこと?
・猫が鼻を「フンフン」鳴らす理由と注意すべきこと