猫がかかると絶望的な『不治の病』4選とそれぞれの症状 予防する方法はないの?
1.猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)
猫エイズという名前で知られている「猫免疫不全ウイルス感染症」。猫免疫不全ウイルスに感染して起きる免疫不全の状態を猫エイズと言います。猫免疫不全ウイルス感染症を発症すると、次第に免疫力が低下し、さまざまな感染症にかかりやすくなります。
発症した場合のおもな症状は以下となります。
- 口内炎
- 鼻炎
- 腫瘍
- 貧血
- 下痢
- 食欲不振 など
猫免疫不全ウイルスは、初期に一時的なリンパ節の腫れや発熱、下痢などの症状が見られますが、そのあとは無症状となり、数年ののちに症状があらわれ発症すると100%死に至ります。
ただし猫免疫不全ウイルスの潜伏期間は長く、進行は非常にゆっくりなため、発症せずに天寿を全うする猫も多いです。
予防としては、ワクチン接種と完全室内飼いが推奨されます。また多頭飼いで感染している猫がいる場合は、状況によって飼育環境を分けるなどの対策が必要になるでしょう。
2.猫白血病ウイルス感染症(猫白血病)
猫白血病ウイルス感染症は猫白血病ウイルスによって引き起こされる病気です。
猫白血病ウイルス感染症の初期症状では、元気消失、リンパ節の腫れ、白血球減少などのほか、発熱、食欲不振、くしゃみなど風邪のような症状が見られます。さらに進行して、持続感染になると以下のような症状があらわれます。
- リンパ腫
- 白血病
- 貧血
- 口内炎
- 流産、死産
- 免疫力がを低下 など
猫白血病ウイルスは唾液や血液などから感染します。非常に感染力の強いウイルスで、食器やおもちゃの共有、毛づくろいをし合うだけで感染します。
猫白血病ウイルス感染症はワクチン接種で予防することもできますが、100%防ぐことはできません。予防には室内飼いを徹底しましょう。また多頭飼いの場合は隔離しての飼育が必須です。
3.慢性腎臓病
猫の慢性腎臓病は、腎機能が徐々に低下し、機能しなくなっていく病気です。腎臓は不可逆的な臓器で、一度壊れてしまった臓器は元に戻ることはありません。
15歳以上では70〜80%もの猫が腎臓病を患っていると言われています。
慢性腎臓病の怖いところは、初期には症状が見られないことです。気づいたときにはすでに30〜40%しか腎臓が機能していないということがほとんどです。その際に見られるおもな症状は以下となります。
- 多飲多尿
- 食欲不振
- 体重減少
- 嘔吐
- 痙攣
飼い主さんが最初に気づく症状としては、多飲多尿が多いでしょう。高齢の猫が水をたくさん飲むようになったと感じたら、動物病院の受診をおすすめします。
慢性腎臓病の明確な予防法はわかっていませんが、一般的には水分摂取量を増やすこと、口腔ケアをおこなうことでリスクを減らせるとされています。
4.認知症
猫の認知症とは、一度発達した脳細胞が少しずつ減り、これまではできていた行動ができなくなる状態のことです。そのため認知症になると、行動に変化があらわれます。
- 夜中に大きな声で鳴きつづける
- トイレを失敗する
- 部屋のなかをウロウロと動き回る
- 飼い主の呼びかけに反応しない
- 食べ物の好みが変わった
- 狭い場所に入り込んで出られなくなる
症状には個体差がありますので、これらがすべてではありません。高齢の猫がこれまでと違う行動をするようになったら、念のため動物病院で相談することをおすすめします。
認知症の発症には、加齢が関係しています。どんな猫でもなりうるので予防が難しい点があります。抗酸化物質を含んだ食事はアルツハイマー型認知症に予防効果があると言われています。
まとめ
猫にとっての不治の病といえば、猫伝染性腹膜炎(FIP)を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?かつては、発症したら致死率99.9%の恐ろしい病気でした。
しかし今では治療薬も見つかり適切に治療をおこなうことで、8割以上の猫が助かる病気になりました。
またここ数年は、慢性腎臓病の治療薬の開発がおこなわれており、もうすぐ実用化されるとも言われています。
このように、猫の医療も日々進歩しています。いまは不治の病であっても、近い将来に治る病気になる可能性も十分にあるのです。
今回紹介した病気の予防と治療が確立され、病気に苦しむ猫が減ることを願います。
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