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みなさんは、「猫は子どもが苦手」という情報を見聞きしたことはありますか?筆者もどこから聞いたのかは明らかでないものの以前はそう思っていましたし、友人からも「子どもと猫を一緒に育てて平気なの?」なんて聞かれた経験もあります。
「猫と子どもは相性が悪い」と思われている背景には、おそらく猫の習性や性格があるのだと筆者は思っています。
というのも、猫は静かな環境や人を好むと言われていますよね。静かな場所で自由気ままに生活することが好きなので、自分のペースを崩されるとストレスを抱いてしまうのです。
その一方、子どもはいつも元気いっぱいで、突然大声を出したり家の中でも走り回ったり……。予測不能な行動が多く、親でも困ってしまうほどです(笑)。
猫とはまるで真逆のタイプゆえに、「猫は子どもが苦手」とか「猫と子どもは相性が悪い」なんて言われるようになったのだと思います。
猫と子どもの相性が悪いと思われている原因について、お話しました。「では、やはり一緒に育てるのは難しいの?」と不安になる方もいらっしゃるかと思いますが、諦めるのはまだ早いですよ!
筆者もそうですが、猫と子どもを一緒に育てている家庭は実際にはとても多くあります。確かに性格はまるで違いますが、工夫次第では猫も子どもも仲の良いきょうだいのような関係になれるのです。
ここからは、実際に筆者も行っている「猫と子どもが仲良くなるための工夫」をご紹介します。
一言に「猫」と言ってもさまざまな種類がいて、種類によって性格も大きく変わってきます。
なので、これから家族になる猫ちゃんを探して迎え入れる場合には、社交性のある猫種から選ぶようにすると安心です。
一般的に、これらの猫種は社交性があり、子どもにも懐きやすいと言われています。
さらに、オスかメスかによっても性格には差が出てきます。オスは好奇心旺盛でやんちゃな一方で、とても甘えん坊な一面も持っています。
それに比べて、メスはクールでマイペースな子が多く、「猫らしい性格」という言葉がピッタリと言えるでしょう。
ただ、これはあくまでも一般的にそう言われているだけであって、これが全てというわけではありません。猫にも人と同じように「個性」がありますし、「どちらがいい」と誰にも断言はできないのです。
ご家族でよく話し合ったり実際に猫ちゃんと面会したりしながら、お子さんと仲良くできそうな子を選んでくださいね!
先ほどもお話したように、猫は基本的には“自分のペースを崩されたくない”動物です。
一方、子どもは好奇心旺盛。猫が寝ていようが何をしていようが「一緒に遊びたくて堪らない!」という気持ちが勝ってしまうでしょう。
しかし、ここで子どもの好きなようにさせてしまうのはNGです!猫はストレスを抱え、子どもに対して苦手意識を持ってしまいますよ。
我が家では、愛猫を迎える際「猫ちゃんと仲良くなりたいのなら、次のことを守ってね」とルールを設けました。
とはいえ…やはり子どもですから、これを100%守っていくのは不可能です。
大人は常に子どもと猫の行動や様子を観察し、猫がストレスを抱えてしまう前に「猫ちゃんが驚くからもう少し静かにしてね」など、子どもへの声かけを行いましょう。
猫ちゃんとの暮らしに慣れてきたら、子どもにも猫のお世話を手伝ってもらうようにしましょう。
現金な言い方になってしまいますが、猫からしても「メリットがある人」には懐きやすくなります。子どもにごはんを与える係などを担ってもらうことで、猫ちゃんも子どものことを「自分にとって敵ではない」と認識しやすくなるのです。
さらに、こうしてお世話を子どもにお願いすることは、子ども自身にもメリットがありますよ。
お世話を続けていくことで、子どもは「猫は自分がお世話をしなければお腹を空かせてしまったり病気をしてしまったりする。どんなに可愛くてもぬいぐるみではなく、自分たちと同じ一つの命なのだ」と少しずつ学んでいくでしょう。
こうして責任感を持つようになったり命の大切さを感じたり…猫のお世話を通して、子どもの内面も大きく成長するかと思いますよ。
先ほどお話したルールを子どもに守ってもらったうえで、猫と適度に遊んでもらうことも重要です。猫じゃらしなどの猫用おもちゃを用意して、猫が甘えてきたら一緒に遊ばせるようにしましょう。
猫は遊びがストレス解消になりますし、子どもにとっても楽しい時間となり、お互いに距離が縮まって仲良くなるキッカケになるはずですよ。
ただし、使用するおもちゃによっては誤飲の危険もあるので注意が必要です。
筆者は以前、動物病院で働いていたのですが「子どもが猫と小さいボールで遊んでいたら、猫がそれを飲み込んでしまった」と来院した方がいらっしゃいました。
ボールはすでに胃まで到達していたので手術で摘出することになりましたが、これが喉で止まっていたら窒息して、猫ちゃんはすでに亡くなっていたかもしれません…。
なるべく飲み込む危険のあるものをおもちゃとして使用するのは避けて、猫と子どもが遊ぶ際には親も近くで見守るようにしてくださいね。
猫と子どもが仲良くなるコツを4つご紹介しました。
我が家の場合、子どもが小さい時にはルールを理解したりお世話をお願いしたりもできなかったので、愛猫と子どもにはそれなりの距離感があったように思います。
しかし、子どもが大きくなるにつれて実行できる工夫も増え、徐々に愛猫と子どもは仲良くなっていきました。
今では、愛猫がピッタリと子どもにくっついて眠ったり、勉強中には膝に乗って甘えたりするほどです。
真逆とも言える子どもと猫の性格ですが、ここは周囲の大人の工夫次第!双方がストレスを抱えずに仲良くできる環境づくりをしてあげてくださいね。
以前はトリマーとして従事していたが、愛犬の死をきっかけにペットロスカウンセラーへと転身。現在では、Rapport Cielの代表として、ペットロスカウンセラーやグリーフケアを行う一方で、Webライターとして動物に関する様々な記事の執筆を行う。
著書「ペットロスで悩んだときに読んでほしい愛犬の死がきっかけで平凡主婦がペットロスカウンセラーとなって起業した話: 「意外」と驚かれるペットロスとの向き合い方 (ラポールブックス)