猫の抜け毛が事件解決の決め手?飼い猫の毛のDNAから犯人の逮捕が可能に! イギリス
毛根がなくても鑑定が可能に
犯行現場に残された猫の毛をもとに、その猫と暮らす犯人を特定し、逮捕に結びつける…英国ランカスター大学の科学者が、そんな画期的なDNA鑑定法を開発しました。
猫と暮らす犯罪者は、犯行現場にうっかり猫の毛を落としていくことが多いのですが、これまでは猫の毛と飼い主を結び付けることができませんでした。
猫の遺伝暗号は毛根に詰まっていますが、残された毛はこの毛根が枯れていたり、欠けていたりするためです。
しかしこのたび、ランカスター大学の研究者らは、毛根なしにDNA情報を得る方法を開発しました。
同大学遺伝学・ゲノム生物学部のJon Wetton博士は、「容疑者と犯罪を結びつける人間のDNAが採取できない事件を捜査する場合でも、現場に猫の毛が残されていれば、この鑑定法により容疑者の猫を絞り込むことが可能になるのです」といいます。
犯人が残した毛から、ペットの情報を特定
人間の場合は「短縦列反復」と呼ばれる、個人ごとに異なる反復遺伝暗号が備わっているため、毛根が欠けていてもDNAを特定することができます。ところが家猫の場合、DNAが似通っているため、従来の鑑定法では個体を識別することができませんでした。
一方、今回開発された鑑定法は、遺伝暗号からミトコンドリアDNAのわずかな差異を明らかにする画期的なものです。この手法で調べた場合、2匹の猫が同じゲノムをもつ確率は、英国内ではわずか3%だといいます。
「世界中で未解決の事件が起きていて、警察と法医学者が手がかりを探しています。彼らが身元不明の毛がついた被害者の衣服などを持っている場合、この新たな手法で分析をすることで、犯人につながる手がかりがつかめるかもしれません」
博士によると、猫以外にも、全身が毛におおわれたペット、とくに犬を飼っている犯人の服には毛がつきやすいため、このDNA鑑定法が逮捕に役立つということです。
猫の毛が裁判の証拠品に
英国では26%の世帯が猫を飼っており、猫は抜け毛を大量に出します。このため新しい鑑定法が犯人逮捕に結びつく可能性も高いのです。
なお、これまで猫の毛が法廷で証拠として活用されたのは、毛の種類が他の動物と区別できるほど特徴的で珍しい場合だけでした。
今後は、裁判の際に猫の毛が頻繁に活用されるかもしれませんね。
出典:Cats could soon be working alongside cops to help catch crooks, says boffin
■関連記事
・猫が本気で噛む理由としつけの対策
・猫が人間に『好影響』を与えること5つ
・嫌いな人に見せる猫の10の態度
・猫が嬉しい!と感じている時の4つの仕草
・猫が物陰から飼い主をジッと覗く3つの心理