なかには愛猫の命を奪うものも…猫に「OK・NGな飲み物」とは?
猫に与えても良い飲み物
まずは猫に与えても大丈夫な飲み物について見ていきましょう。猫にとって必要な栄養源として摂取できるもの、食事のトッピング的に使えるものなど猫が飲んでも問題のない飲み物を紹介します。
猫用ミルク
猫用ミルクは猫の母乳と近い栄養価を持つ飲み物です。牛乳などをベースに、猫が下痢や嘔吐を起こす原因となる成分を除去するなどして、猫に与えても大丈夫なように調整されています。
子猫にとっての主食となるもののほか、おとなの猫の水分補給や栄養補助を目的に適したものもあります。年齢や目的に合わせて選びましょう。
栄養価が高いため、与えすぎには注意が必要です。
肉や魚のゆで汁
肉や魚のゆで汁は猫にとって安全な飲み物です。ただし味付けをしていないものにかぎります。
肉や魚のゆで汁には、素材のうま味が溶け出しているため好んで飲む猫も多いです。そのため水を飲んでくれない猫の水分補給にもおすすめです。いつもの水に混ぜる、ぬるま湯で薄めてあげる、ドライフードにかけるなどして与えましょう。
なお療法食を与えているなど食事に制限がある場合は、かならず獣医師に相談してから与えるようにしてください。
麦茶
一般的に猫にお茶はNGとされていますが、カフェインが含まれていない麦茶は与えることができます。
麦茶はミネラルが豊富で、カルシウムやマグネシウムが含まれているため、結石を心配する人もいるようですが、療法食など食餌制限がない場合で猫が好む場合は与えても大きな健康被害は出ないでしょう。麦茶に含まれているミネラル分は微量で、日頃から飲み続けない限り猫の健康に影響が出るほどではないとされています。
ただし麦茶は猫にとって必要な飲み物ではありません。麦茶が好きな猫に、たまに水で薄めたものをあげる程度が無難です。
猫にとって危険な飲み物
いつも何気なく飲んでいる飲み物のなかには、猫の健康や命を脅かす危険なものがあります。そのなかでも、とくに注意が必要だと思われる飲み物をいくつか紹介します。
これらはあくまでも一例です。安全性がわからない飲み物は与えないようにしましょう。
アルコール飲料
猫はアルコールを分解することができません。そのため少量でも急性アルコール中毒のリスクがあります。アルコールに対する耐性には個体差があり、たったひと口で危険な状態になる猫もいます。
アルコール中毒の症状は「嘔吐、下痢、震え、ふらつき、呼吸困難」などです。重症になると命を落とす危険性もあります。
また飲み物だけでなくラムレーズンなどのお酒を使用している食品、アルコール消毒などにも注意が必要です。
カフェイン入りの飲み物
私たちの身の回りにはカフェインが含まれている飲み物がたくさんあります。有名なのはコーヒーと紅茶ですが以下の飲み物も注意が必要です。
- 玉露
- 煎茶
- ほうじ茶
- ウーロン茶
- コーラ
- 栄養ドリンク
猫がカフェインを多量に摂取した場合は「嘔吐、下痢、興奮、動悸、震え」などの症状が表れます。
カフェインの中毒量は体重1kgあたり20mg、致死量は150mgです。含有量の多い玉露でも100mlあたり160mgですから、猫が命を落とすほどのカフェインを摂取することは考えにくいでしょう。とはいえ猫にとっては危険な飲み物ですから、口にしないように注意してください。
ココア
ココアやチョコレートドリンクの主原料であるカカオには、中毒症状を引き起こす「テオブロミン」が含まれています。含有量は、ミルクココアよりも純ココアのほうが多いと言われています。
猫がテオブロミンを摂取した際に見られるおもな症状は「嘔吐、下痢、頻脈、興奮」です。
体重3kgの猫がテオブロミンの中毒を起こすには、カップ3分の2杯ほどのココアを摂取する必要があります。玉露同様に危険な量を飲むことは考えにくいですが、猫が口にしないように注意しましょう。
絶対NGではないけれど避けたい飲み物
牛乳やミネラルウォーターなど、猫によっては健康に問題が生じる可能性がある飲み物もあります。
猫は牛乳の乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)が少ないため乳糖をうまく消化吸収できません。体質によっては下痢になる場合があります。また牛乳は食物アレルギーの原因になることもあり注意が必要です。
ミネラルウォーターは、マグネシウムとカルシウムが豊富に含まれているため、尿路結石の原因になる可能性が指摘されています。たまたま少し飲んでしまった程度であれば問題はないと考えられますが、長期間与えつづけるのは避けましょう。
まとめ
今回紹介した飲み物はほんの一例です。人間にとってはなんでもない飲み物でも猫に命や健康をおびやかすものもあります。思いがけない事故を防ぐいちばんの方法は、人間の飲み物をむやみに与えないことです。
水を飲んでくれない猫の場合も、肉や魚のゆで汁、猫用ミルクなど安全が確認されている飲み物を与えるようにしましょう。
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