愛猫によく見られる3つの「老化の兆候」シニア猫の飼い主さんにはあるある?
猫の老化がわかる3つの兆候
猫の老化は体の見た目と行動にあらわれます。しかし、変化は一気には起こらないため、子猫の成長ほど実感できません。シニア期の猫にこんな兆候が見られたら、老化のはじまりかもしれません。
1.めんどくさがり、頑固になる
動くのがめんどうでおもちゃに無関心、呼んでもしっぽを軽くふるだけ、毛づくろいをサボって被毛がボサボサになってくることがあります。
経験を重ねた高齢猫は好奇心が減ることで、全体的な運動量が減るので、動きも控えめになってのんびりしてくるでしょう。身体能力も若いときのようにはいかなくなり、何気なく昇り降りしていた段差でも落ちる危険があります。
また、精神面でも自分なりのこだわりが強くなり、変化に順応するのが苦手になってきます。若いときと比べてフードの切り替えも苦労するようになるかもしれません。
2.食欲や聴覚や嗅覚が弱くなる
代謝も落ちてくるため、同じだけご飯を食べていると太りやすくなりますが、次第に空腹に対する身体の反応が鈍くなり、食が細くなることから意図せず痩せてくることがあります。
さらに加齢が進むと感覚も衰えてきます。耳が遠くなり、声をかけても反応が遅くなったり、嗅覚が鈍り、食事のニオイがわからなくなったりします。猫はもともと視力が弱いので、視覚の異常は緑内障や高血圧などの病気の可能性もあります。
関節などの痛みがあれば毛づくろいができないこともあるので、被毛のボサボサだけをとっても容易に見逃すことはできません。
3.体内の不調を抱えることが増える
高齢猫になると腎臓病や糖尿病、胃腸障害など、長年使ってきた臓器から不調が出てくるようになります。また、口腔内環境の悪化もそのひとつです。蓄積した歯垢・歯石から歯周病などの痛みが出やすくなります。
また、筋力低下はあらゆる日常生活に支障を及ぼします。前肢に力がなくなると爪とぎをしても古い爪が取れなくなるため、爪が太くなってきます。筋力低下は体内でも起こるため、膀胱の筋力低下で粗相してしまうこともあります。
猫の年齢と加齢にともなう病気
おとなになった猫は人間の4倍の速さで年を取るといわれます。生まれて1年で人間の18歳くらいに該当し、このころになると骨の成長も止まって体の成長はおおむね完成します。
シニアと呼ばれる猫の7歳は、人間の44歳くらいにあたります。体調の変化が出てくるころです。
猫の11歳は人間でいうと60歳くらいにあたり、いよいよ老化が目立つようになってきます。
高齢になると免疫力が落ちることもあり、病気をしやすくなります。高齢猫に多いのは、糖尿病と腎不全や膀胱炎など泌尿器系の病気、そしてがん・腫瘍です。腸の機能低下から便秘がちになってしまう猫もいます。
ふだんの食事や排泄の様子、もしできたら平常時の体温や心拍数・呼吸数などを把握しておくと、健康管理に役立つでしょう。
シニア期を迎えた猫の飼い主が注意すべきことは?
愛猫がシニア期を迎えたら、穏やかで代わり映えしない生活の方が安心です。以下のことに注意してあげましょう。
食べ物
最近は超高齢猫用フードも市販されているので、7歳以降も段階的に切り替えることもあるでしょう。高齢猫は食べ物の変化を好まなくなる傾向があります。そのため、好みのフードも上手に利用しながらゆっくりと切り替えたほうがうまくいきます。
嗅覚が弱くなってきたらドライフードの場合でも、人肌くらいまで温めると香りがでるので食欲増進に有効です。
温度管理
高齢になると、暑さ寒さに対する体温調節の能力が低下するため、生活環境内の温度管理が必要です。真夏の暑い場所での熱中症や、冷えやすい場所で低体温にならないよう注意しましょう。
関節炎などを患っている場合、寒さで痛みが増すことがあります。暖かくしてあげてください。
健康チェック
定期的なブラッシングはもちろん、手でマッサージをしながら、しこりや痛いところはないか定期的にチェックしましょう。その際に行う適度なマッサージも、血行促進や筋肉の緊張を緩和するのに有効です。
もちろん7歳以降は年に1〜2回、動物病院で健康診断を受けることも大切です。
まとめ
現在、日本の飼い猫の平均寿命は15.62歳で、ご長寿な子では20歳を越える子も珍しくなくなってきています。シニアと呼ばれる7歳から何倍も生きられますから、猫の人生のほとんどがシニアといってもよいでしょう。
音やおもちゃなどへの反応が悪くなり、被毛がボサボサになってきたら、それは老化の兆候かもしれません。病気がちになることもあるため、ゆるやかに変化していくシニア期には、食事や生活空間の管理が健康長寿の秘訣になります。
猫は年をとっても体の不調を隠そうとします。日頃からよく観察して小さな異変にも気付けるようにしておきましょう。
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