猫と雨の不思議な関係 猫が顔を洗うと本当に雨が降る?
猫と雨に関する言い伝え
最も有名だと思われる猫と雨に関する言い伝えは、「猫が顔を洗うと雨が降る」というものだと思います。
実は日本の各地に猫で雨を予知することわざがあり、ただ顔を洗うだけではなく、顔の洗い方や寝る姿勢などの猫のいろいろな仕草で昔の人は雨を予想していたようです。
例えば、「三毛猫が顔を隠して寝ていると雨」とか、「猫が後ろ足を上の方に挙げると雨」、「猫が鼻を上にして寝ていると明日は雨」などです。また、雨の日の猫はよく眠るとも言われています。
こういった古くから言われている猫と雨の関係には、きちんと科学的な説明ができるのでしょうか。
なぜ、猫が顔を洗うと雨が降るのか
実際に猫と一緒に暮らしたことのある方は、猫が顔を洗っているシーンを毎日のように目にしていたと思います。ですから、猫が顔を洗うと雨が降るというのは、かなり根拠のない言い伝えのように思われます。
しかし、実は科学的に「こういう理由から、湿気が高くなると顔を洗う頻度が増えるのではないか」という説明ができることを知りましたので、ご紹介します。
猫のヒゲはいろいろなものを察知する敏感なセンサーなのですが、察知する情報の中に「湿度」があるそうです。
湿度が高くなって、水分を含んだヒゲが重くなり、下に垂れ下がることによって、猫はヒゲの周りの感覚がいつもと変わってしまい、気になって顔を洗うことが増えるというものです。
なるほど、と思わせる部分はありますが、残念ながら実際の天気予報としては使えない言い伝えであると言わざるを得ません。
なぜ、雨が降ると猫はよく眠るのか
正確に猫が眠っている時間を計測したことはありませんが、確かにお天気の良い日と比べると、どんよりと曇って雨が降っている日は、猫が眠っている時間がいつもよりも長いような気がします。
これについては、かなり納得できる理由を見つけることができましたので、ご紹介します。
猫や人が感じている24時間のおおよその周期を「概日リズム」といいます。分かりやすく言うと体内時計のようなもので、朝、昼、夜を体が自然に感じて目覚めたり、活動的になったり、眠くなったりするということです。
この概日リズムを制御しているのが「メラトニン」というホルモンで、メラトニンが夜の間に分泌され続けることで猫を睡眠に向かわせます。
朝になって日光を浴びることでメロトニンの分泌が抑止され、体が目覚めた状態になるのですが、雨の日はどんよりと曇って日光が差さないため、メラトニンの分泌が止まらずに眠いままだという訳です。
また、雨が降るときは気圧が低下するのですが、気圧の低下に伴い体内の圧力が上がり、血管が膨張する現象が起きます。それに伴い、人や猫は体調を崩しやすくなります。
てんかんを持っている猫は発作が誘発される原因にもなります。また、人では偏頭痛がひどくなる人が多いようです。
つまり雨の日は、メラトニンが分泌され続けることと、気圧の影響を受けて体調が優れないことが重なり、人よりも敏感な猫はじっとして眠ることが多くなるというのです。
そもそも猫は水が嫌い
そもそも、猫は水が嫌いです。皮脂腺から分泌される脂分が少なく、被毛全体に行き渡らないために水を弾きづらく、乾くまでに時間がかかるからです。
元々寒暖差の激しい砂漠地帯に住んでいたイエネコの祖先のリビアヤマネコたちにとっては、気化熱で体温が奪われしまうという命の危険にさらされる状態です。その名残もあって今でも猫たちは水を嫌うのだと考えられています。
だからこそ、昔の人たちは「猫は嫌いな雨に対して警戒しているに違いない」という思いがあったのかもしれません。
まとめ
猫が顔を洗ったからといって必ずしも雨が降るわけではありませんが、雨が降った日は猫にとっては体調があまり思わしくなく、とても眠い状態なのだということがわかりました。
私たち人間よりもずっと繊細な猫たちの体調を慮って、雨の日はそっと寝かしておいてあげるようにしたいと思います。
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