我が家の猫は熟睡中に『スースー』と高いイビキをかきます。
多分いびきというよりは寝息のようなものなのでしょう。
『スースー』とゆっくり聞こえてくる猫のいびきは猫が『安心して寝てくれているんだなぁ』とほっとしますし、嬉しい気持ちになります。

猫のいびきをかいている姿についつい笑ってしまったり、よく寝ているなぁ…なんて微笑ましい気持ちになったりしてしまいそうですが、実はすべての猫のいびきが笑って見過ごせるものではありません。

猫のいびきは何らかの病気のサインの場合もあるといわれています。
どんな猫のいびきなら飼い主として注意しなければいけないのでしょうか?
逆に猫がかいていても安心できる猫のいびきもあるのでしょうか?
気になる猫のいびきについてご紹介します。

1.
猫がいびきをかく理由とは?

人と猫のいびきは、実は少し鳴る原理が違うと言われています。
人は寝ているとき、舌の付け根が喉の奥に下がることで喉自体が狭くなり、いびきとして音が鳴ります。
しかし猫の舌は寝ている間に口の外に飛び出してしまうことはあれ、喉の奥に下がってしまうことはありません。
猫のいびきは人間とは違い、鼻の内部が狭まってかきます。
猫のいびきは、鼻の内部が狭くなったことで鳴る振動音のことを指すようです。

2.
いびきをかきやすい猫の品種とは?

どんな猫でもいびきをかく可能性はありますが、いびきをかきやすいといわれている品種の猫もいます。

特にエキゾチックショートヘアやヒマラヤン、ペルシャなど鼻が低めの猫種はいびきをかきやすそうです。
また、それ以外の品種でも鼻が低めのお顔立ちの猫は鼻の構造的に寝ているときに鼻の中が狭まりやすいため、いびきをかきやすいといわれています。

基本的には、鼻の低い猫がいびきをかいていても心配はいりません。
呼吸が苦しそうではないか、猫のいびきが普段と変わらないか、などは普段から注意して観察してあげましょう。


3.安心な猫のいびき
◆高い音のいびき



前述したようなわが家の猫もかく『スースー』という鼻から出ているような高い音のいびき。
この高い寝息のような猫のいびきは、基本的に心配がない猫のいびきだと言われています。
猫が熟睡し、気を抜いている証拠とも言えるでしょう。
貴方を信頼している証しともいえるかもしれません。

猫が『スースー』と高い音のいびきをかいていたら、起こさないようにそっとしておいてあげてくださいね。


4.心配なねこのいびき

◆人間のような大きな太いいびき

猫が鼻から抜けるような『スピー』という高い猫のいびきとは違い、まるで人間のような『ガーゴー』という太く大きないびきを猫がかいている場合は注意が必要です。

人間も太っている人は喉が圧迫されいびきをかきやすいと言われています。
実は太った人がイビキをかきやすいのと同様に、肥満の猫の方が喉を圧迫され睡眠時にどうしてもいびきをかきやすいようです。

猫の肥満は万病のもと。
猫が病気になるリスクが増えてしまいます。
猫が太いいびきをかいていてしまうほど肥満気味だな、と飼い主さんも感じるのであれば、餌のコントロールや運動などで猫のダイエットを試みましょう。
ダイエットの方法がわからない場合はかかりつけの獣医さんに相談してみてくださいね。
きっとなにかしらのアドバイスがもらえるはずですよ♪


◆鼻が詰まったようないびき



鼻風邪をひいたときや、花粉が飛ぶ時期に鼻がつまっていて上手に息が出来ずちょっと息苦しいイビキをかいてしまう人は少なくないのではないでしょうか。
鼻が詰まっていると睡眠時に呼吸がしづらくなるため、人間でもイビキをかきやすくなってしまいます。

猫も鼻が詰まっていると人間と同じように息苦しさからいびきをかきやすくなります。
いつもいびきをかかない猫なのに急に息がつまったようないびきを猫がかいており、鼻水が出ているのであれば、風邪をひいて猫がいびきをかいている可能性もあります。

猫は風邪だけでなく、花粉症やアレルギー症状でも鼻水が出ることがあります。
花粉の時期や特定のものを食べた後などに猫が鼻水を出しイビキをかいているのであれば、何かアレルギー物質に反応して猫が鼻炎を起こしているのかもしれません。
猫の鼻水が出ていたり、くしゃみをするようになった、猫がイビキをかいたり、口をあけながら寝ていることが続くのであれば、動物病院へ連れていくようにしましょう。
猫のいびきも鼻づまりが治まるのと同じく治まる一時的なものであれば、心配な猫のいびきではない可能性もあるので安心してくださいね。



◆いびきに雑音が混ざる
猫がいびきをかいていて急に呼吸が一瞬止まることや、書き言葉では表しにくいのですが、いびきのなかに『雑音』が混ざるようであれば、少し病気の心配がある猫のいびきの可能性が高いと言われています。

猫があまりに苦しそうにいびきをかいており、雑音がいびきに混じる場合、心筋梗塞や気管虚脱という病気の可能性もあるようです。

また人間でも脳出血や脳血栓など、脳に何らかの以上が出た場合急におかしないびきをかく事例が報告されています。
猫も同じように少し変わったいびきをかくようになり、脳出血が見つかるということも少なからずあるようです。

心筋梗塞も気管虚脱も脳出血も放っておくて猫が死に至る可能性もあります。
猫が寝ているときのいびきが苦しそうというだけでなく、起きているときも猫が息苦しそうにしているのであれば何かしら危険な病気を患っているのかもしれません。
早めに動物病院を受診するように心がけてください。

いかがでしたか?
たかがいびき、されどいびき。
猫のいびきでわかることもたくさんあります。
猫が普段からいびきをかいているのであれば、普段の様子もよく見ながら猫のいびきをよく聞いてみてください。
病気の早期発見につながるかもしれませんよ。

【監修 小禄獣医師】
情報提供元: 猫壱
記事名:「 【獣医師監修】猫のいびきには要注意?!少し気になるいびきの種類と対処法