2016年のねこのきもちという雑誌に掲載されていた読者アンケートによれば、「マイクロチップを愛猫に装着していますか?」という質問に対して、「YES」と答えた飼い主さんは17%。76%の飼い主さんが「NO」と答えていました。



日本獣医師会による平成27年3月のマイクロチップ登録頭数は、犬が88万頭で猫が20万頭。ペットフード協会による平成26年4月の飼育頭数推計は、犬が1034万頭、猫が996万頭ですから、マイクロチップの装着率は犬が約8.5%、猫が約2.1%ということになります。



う~ん、ヨーロッパではかなり普及率が高いマイクロチップ。なぜ日本でこんなに装着しない人が多いのでしょうか?



しかし最近は地震、災害の影響で被災地のペットのマイクロチップ装着率は上がった、という話も聞きますし、平成24年9月に改正された「動物の愛護及び管理に関する法律」の14条によると、マイクロチップの装着等は、平成30年度を目途に、ペットショップ等で販売用の犬猫等に関しては装着を義務化する方針のよう。



しかし日本で猫を飼う人の大多数が猫は路上や譲渡会などで出会っています。現在でも装着率はたった2.1%。日本で猫へのマイクロチップの装着が普及しない理由とは一体何があるのでしょうか?



 

■マイクロチップを装着するとガンになる?




ネットで検索していたらでてきたこの「マイクロチップを装着するとガンになる?」という気になるコメント。しかしこれは全く根拠のないただの噂のようです。



ワクチンや薬が影響と言われる「猫の注射部位肉腫」という猫特有の皮膚ガンがあり、マイクロチップにも因果関係があるのではと疑われたそうですが、現在のところ、はっきりとした証拠として特定はされていないとか。



ただし、マイクロチップを装着すると、MRIにマイクロチップが磁気に反応してしまい、マイ クロチップ周囲の画像がうまく写らなくなってしまうデメリットはあるそうです。



 

■完全室内飼いだから必要ない






「体内に異物を埋め込むなんて可哀想、うちは完全室内飼いだから必要ない。」猫の譲渡会でそう言っていた人がいました。



全てではないとは思いますが、私が関わっている地域猫の会では、猫を譲渡する場合、避妊、去勢の時にマイクロチップを装着します。これに対して「可哀想」という意見も少なからずあります。



考え方は人それぞれですが、先進国ではマイクロチップの装着はスタンダード。ましてや地震、災害が多い日本では、装着した方がメリットは大きいのではと感じています。



猫が迷子になった時、保健所に電話をすると必ず「マイクロチップは入っていますか?」と聞かれます。



装着されている猫は殺処分を免れる可能性はぐんと高いはず。それ以外にも、ペット保険が割引になるといったメリットもあります。



マイクロチップの装着。確かに猫にはちょっと可哀想ですが、メリットとデメリットを考えると、メリットの方が大きいかも。皆さんはどう思いますか?
情報提供元: 猫壱
記事名:「 たった2.1%。日本で猫へのマイクロチップの装着が普及しない理由とは?