純血種の猫は血統を維持するために同じ血統の中で子孫を作り、その品種を改良して来た背景があります。
自由に交配を繰り返すミックスの猫に比べて、純血種の猫は遺伝性疾患が出やすい、というのは事実です。
しかし、純血種の猫だからといって全ての猫に発症するわけではありません。とはいえ、純血種の猫の持つ遺伝的な病気を知り、早期発見をすることで、病気の進行を遅らせることができるかも。。。
今回は、純血種の猫についてよく言われる遺伝性疾患について本当かどうか調べてみました。
■純血種の猫の中でソマリは耳垢がたまりやすい
猫は比較的耳垢がたまりにくい動物。ソマリは純血種の猫の中では皮脂が油っぽいと言われますが、だからと言って耳垢がたまりやすいというのは誤解です。耳垢はあくまでも個体差によるもの。猫種とは関係ありません。
■アメリカンショートヘアは肥満と脱毛が多い
アメリカンショートヘアは純血種の猫の中でも遺伝的に体格が大きい猫種です。そのために動作が緩慢になりやすく、肥満になりやすい傾向があるかもしれません。
肥満は心臓に負担がかかり、心筋症にも関係します。またアメリカンショートヘアは短い被毛が密に全身を覆っているため、皮脂が脂漏性皮膚疾患になりやすいとも言われています。
しかしアメリカンショートヘアは基本的には丈夫な猫種だと言います。傾向があるだけで症状が出ない猫も多いはずです。
■スコティッシュフォールドは関節形成不全になりやすく病弱だ
純血種の猫で、股関節やかかとに痛みや硬直を伴う関節形成不全という病気にスコティッシュフォールドがなりやすい、というのは事実です。これは耳が折れているか立っているかには関係なく、スコティッシュフォールドが持つ遺伝的な特徴と言えます。
しかしだからと言って全てのスコティッシュフォールドが病弱だというのは間違い。早期発見で進行を遅らせることは可能ですし、全てのスコティッシュフォールドに発症するという病気ではありません。
いかがですか。スコティッシュフォールドなど、純血種の猫はペットショップで
「運命の出会い!」
で一目惚れをしてしまう飼い主さんが多いと思います。しかしお店で購入する前に、その猫の持つ特徴や飼育方法、遺伝的な疾患の有無などを事前に調べることはとても大切です。
可愛いくて高価なスコティッシュフォールドが、病気になった途端に飼い主から捨てられる
「野良スコ」
を私は実際に見たことがあります。猫を飼う、ということは、猫の暮らし全てに責任を持つということ。
安易な気持ちで猫と暮らすのは、猫にとっても飼い主さんいとっても不幸なのではないでしょうか。 情報提供元: 猫壱