娘の妊娠中にもかなり言われたのですが、妊娠すると『猫と一緒にいても大丈夫なの?!』とよく聞かれます。
しかも年齢関係なく、同世代の20代後半の人から母親世代の人まで幅広い年代の人から『猫と一緒にいるのは危ないんじゃ…』と言われるのです。
知識がきちんとあれば妊娠中に猫と暮らすことが危ない訳じゃないと安心できるのに、やはり知識がないと『怖い』と思ってしまうよう。
本当に猫は妊婦にとって危険なのでしょうか?
妊婦はどのように大切な家族の一員である猫と妊婦生活を送れば良いのかと合わせてご紹介します。
◆なぜ『妊婦は猫に近づくな』と言われるの?
猫から人間に感染する病気の中で『トキソプラズマ症』という病気があります。
妊婦がその病気に感染すると胎児に影響がある、といわれているため『妊婦は猫に近づくな』といわれるようになったようです。
トキソプラズマ症は感染した動物の糞や感染した生肉を介して感染します。
そのため、完全室内飼いで生肉を食べる習慣のない猫は『トキソプラズマ症』に感染している可能性はほとんどありません。
昔は今のように完全に室内で飼われていてキャットフードのみを食べる猫が少なく、トキソプラズマ症の猫が多かったため、トキソプラズマ症が移る可能性のある猫全般には近づかない方がよいと言われていたのでしょう。
その言葉だけが完全室内飼いの多い現在でも残っているだけのようです。
◆トキソプラズマ症とは?
トキソプラズマ症は感染するとリンパ腺が腫れたり、少し熱が出たり、ちょっとした風邪のような症状になる病気です。
大人への影響はあまりないので、トキソプラズマにかかっても『トキソプラズマ症』だと感じないかもしれません。
トキソプラズマ症は大人への影響はすくないですが、妊娠中にママが感染してしまった場合、胎児にもトキソプラズマ症が感染し、赤ちゃんに影響がでることがあります。
とは言っても胎児への感染率は低く、先天性トキソプラズマ症で生まれる赤ちゃんは0.05パーセント以下なのだそう。
しかもトキソプラズマ症は飼い猫から感染するよりも生肉からの感染する確率の方が高いので妊娠中は生肉を食べない!を徹底した方が感染を防ぐことができるかもしれません。
◆妊娠中の猫との関わり
上記もしましたがトキソプラズマ症は猫のうんちから感染します。
万が一猫がトキソプラズマ症だったとしても一緒に暮らしているから、噛まれた、舐められたなどで移る病気ではありません。
妊娠中にトキソプラズマの影響がどうしても気になるのであればうんちのお片付けだけに気を付けるようにしましょう。
持つ人はいないとは思いますが素手でうんちを触らない、うんちを取ったあとは手をきれいに洗うようにしてください。
また、うんちはすぐに片付けることも重要。
日数をおかずにその日のうちにかたづけてしまいましょう。
ただ、飼い猫から移ることはほぼないですが、外猫や地域猫からは感染する可能性はあります。
地域猫ボランティアをしている場合は猫のうんちに十分気をつけ、うんちの処理は他の人にお願いしたり、ゴム手袋などを使って処理した方がよいかもしれませんね。
赤ちゃんがトキソプラズマ症になる可能性は低いとはいえ、なるべく地域猫や外猫とのうんちとの接触は避け、うんちと関わったらしっかり消毒するように気を付けましょう。
いかがでしたか?
室内飼いでキャットフードのみを食べる猫なら本当にほとんど感染の心配はありません。
また、全部の病院で検査が義務付けられているわけではありませんが、トキソプラズマ症の抗体検査を実施している産院は最近増えています。
私も実際にトキソプラズマ症の抗体検査が初期検診でありました。
産院でなにも言われなければそこまで神経質になることはない病気です。
『猫と一緒にいて大丈夫?!』なんて言われても、不安にならず衛生面だけには気をつけて過ごしていれば大丈夫♪
それよりも赤ちゃんが生まれると猫には十分にかまってあげることができなくなります。
妊娠中にしか猫との蜜月をとることはできません。だからこそ、今まで以上に猫に愛情を注ぎ大好きなことを伝えておいてあげましょう。
猫が愛情をきちんと感じてくれていれば、赤ちゃんが来てからの猫の態度が少し変わるはずですよ。 情報提供元: 猫壱