ペットの寿命が年々伸びています。それはそれでとても嬉しい出来事。愛猫、愛犬に1日でも長く元気に過ごしてもらうのは飼い主の喜びであり、責任でもあります。



しかしご存知の通り、ペットの医療費は動物病院ごとの自由診療。人間のような保険はありません。飼い主が個別に「ペット保険」に加入しない限り、治療、診察費は天井知らずともいえます。



犬猫の治療には不安と疑問がたくさんあります。特に病院を嫌がる猫に、人間並みの医療を施すのは逆に苦しませるのでは?



いやいや、最高の医療を施したからこそ、長生きして大往生できた、という飼い主まで、今回は3人の飼い主の体験談をご紹介しましょう。



 

☆かかった医療費は500万。でもそのおかげで大往生




当時10歳だったテリアのHちゃんに肝臓がんが発覚したのは2007年。「これは自然に破裂させるしか手がない」という獣医の言葉に飼い主のYさんは



「何としても治療してみせる!」



と癌の専門病院を探し、最高の医療を施しました。結果、テリアのHちゃんはその後9年6ヶ月も長生きし、1日おきの点滴は打っていたものの、最後の夜も苦しむことなく安らかな最後を迎えられたそうです。



飼い主のYさんが払った医療費は



・肝臓がんの手術代:80万円

・3ヶ月の通院代:30万円

・1日おきの点滴は1回7,000円



など、生涯の医療費を計算したら500万円に達していたそうです。子供のいない共働きだからできた、と語っていますが、後悔はしていないといいます。



 

☆検査ばかりで飼い主も猫も病院恐怖症に






出典



マンチカンの愛猫、R君がえらが腫れていることに気付いて病院を受診したところ、



「カルシウム値が高く、癌の可能性がある」



と言われ、検査漬けに。血液の採取だけで合計10回。エコー、CTと嫌がる愛猫を無理矢理押さえつけて検査することになったそうです。



その結果別猫のように凶暴に暴れる様になったR君。ついに飼い主も我慢できなくなり、現在は予防接種も控える程の病院恐怖症になったとか。将来病気になっても治る確証がないなら、検査や手術はしない、と決めたそうです。



 

☆安楽死をさせれば良かった




愛猫のBちゃんが腎不全になり、最善を尽くしたいと頑張り、1日おきの点滴をしてあげました。やせ細ってぼろ布のようになった愛猫は苦しげに「ニャア」と鳴いて最後を迎えたそうです。



飼い主のMさんは、



「飼い主として最後まで責任を持ったつもりだが、獣医がすすめたように安楽死させるべきだった。」



と今でも深く後悔しているそうです。





いかがですか。この3人の体験談。どの飼い主も正しいことをしたと思います。他人が責めるところは全くありません。猫にとって最善の治療法は何なのか?私も深く考えさせられました。



あなたの愛猫が病気になったら、あなたはどんな治療法を選択するのでしょうか。



(この体験談は2016年9月発売の週刊東洋経済から抜粋させて頂きました。)
情報提供元: 猫壱
記事名:「 【ペットの医療】犬猫の終末医療は飼い主次第…。どこまでやる?3人の体験談