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今回の研究は、別れに対する行動反応を網羅的に明らかにすることが目的でした。
研究は2段階で行われました。
第1段階では、219名の参加者に対し、「自分が関係を続けたいと思っているのに、相手から別れを告げられたらどうするか?」という質問を投げかけ、自由記述で回答を得ました。
その結果、79種類もの多様な反応が収集されました。
第2段階ではそれらの反応を整理し、別の442名に提示。
それぞれの反応について「自分がその反応をするかどうか」を5段階評価で答えてもらいました。
得られたデータを統計的に分析することで、79の反応は13のカテゴリーに分類されました。
さらにそれらをまとめることで3つの主要な反応タイプが明らかになっています。
研究チームが導き出した3つの反応タイプは以下のとおりです。
このタイプが最も多く、気持ちの整理をつけて、前向きに次へ進もうとする傾向があります。
具体的な反応は以下の通りです:
特に「気を紛らわせる」人は81%とかなりの割合を占めました。
悲しみに暮れ、理由を尋ねるタイプ / Credit:Canva
このタイプは2番目に多く、強い感情的ダメージを受ける傾向があります。
「悲しい」「落ち込む」といった感情に加え、「別れた理由を知りたがる」「相手の行動を探る」「心理カウンセリングを求める」などの行動も特徴です。
具体的には以下の反応が含まれます:
特に「相手に理由を尋ねる」という反応が一般的でした。
このタイプは最も少ないですが、注目すべき回答が多く見られました。
これらの人たちは、怒りの感情を中心に、外向的で時に危険な行動に走る傾向があります。
含まれる反応は以下のとおりです:
少数ではあるものの危険度が高く、事件に発展する場合もあります。
もちろん、これらのタイプ分けは優劣をつけるものではありません。
どれも人間の自然な感情反応として位置づけられます。
怒りは相手との関係性の深さを示し、悲しみは自分を見つめ直すきっかけとなり、受容は未来への一歩を踏み出すための力になるのです。
さて、あなたはどのタイプに当てはまりそうですか?
自分の心の動きを理解することは、他人の心を理解する第一歩です。
別れは誰にとっても苦い経験ですが、その痛みの中にこそ、人間らしさが輝いているのかもしれません。
参考文献
Researchers pinpoint three distinct types of reactions to breakups
https://www.psypost.org/researchers-pinpoint-three-distinct-types-of-reactions-to-breakups/
元論文
How People React to the Termination of an Intimate Relationship: An Exploratory Mixed-Methods Study
https://doi.org/10.1177/14747049241312231
ライター
大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。
編集者
ナゾロジー 編集部