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その後、上半身2種目(チェストプレス、ラットプルダウン)、体幹2種目(ローワーバック、アブドミナルクランチ)、下半身1種目(レッグプレス)からなる筋トレを各種目3セットずつ行います。
このようなトレーニングを週2回、8週間続けた結果、プロテインを飲むことで、どんなメリットがあったのでしょうか?
早速結果を見てみると、トレーニング直後にプロテインを飲んだグループでは、上半身、体幹、下半身の筋力がまんべんなく向上しました。
一方、プラセボ群では上半身や体幹の筋力は向上したものの、下半身には変化が見られませんでした。
この結果は、有酸素と筋トレを一度に行う場合、トレーニング直後にプロテインを摂取することが下半身の筋力向上には重要なことを示しています。
研究グループは、トレーニング直後にプロテインを摂取することで、干渉効果を防ぎ、下半身の筋力向上が見られた理由について、次のように考察しています。
まず、プロテインを摂取することで筋肉の修復や成長に必要なアミノ酸が供給され、筋肉の合成が促進される可能性があります。
また、トレーニングによる筋肉の微細な損傷をプロテイン摂取によって早く修復することで、次のトレーニングにより良い状態で臨めます。
さらに、プロテインの摂取は筋肉の成長を助けるホルモンの分泌を促したり、神経機能を改善したりする可能性があり、これらの要素も今回の結果につながったと考えられます。
一方、持久力を示す最大酸素摂取量という指標は、両グループで同じぐらい向上しました。
ノルウェー・ノードランド大学のある研究でも、有酸素運動と筋トレをどっちからするのかに関わらず、持久力向上の効果が得られることが指摘されています。
この結果も踏まえて考えると、マラソン選手のような持久力が高いアスリートは別としても、健康愛好家レベルでは、有酸素から実施しても、筋トレから実施しても、持久力を向上する効果は十分に見込め、干渉効果を受けにくいと言えるでしょう。
まとめると、今回の研究は、1回1時間、週2回のトレーニングで持久力と筋力を同時に向上できることを示しています。
そして、そのトレーニング効果を最大限に得るには、トレーニング直後のプロテイン摂取が役に立ちます。
持久力と筋力を同時に高めたい方は、終わった後のプロテインをご褒美にして、同時トレーニングに挑戦してみてはいかがでしょうか。
参考文献
Protein shake enhances muscle strength in sedentary individuals: Study
https://www.nutraingredients.com/Article/2024/08/20/protein-shake-enhances-muscle-strength-in-sedentary-individuals-study
元論文
Protein Supplementation Increases Adaptations to Low-Volume, Intra-Session Concurrent Training in Untrained Healthy Adults: A Double-Blind, Placebo-Controlled, Randomized Trial
https://doi.org/10.3390/nu16162713
ライター
髙山史徳: 大学では健康行動科学、大学院では体育学・体育科学を専攻。持久系スポーツの研究者として約10年間活動。 ナゾロジーでは、スポーツや健康に関係する記事を執筆していきます。 価値観の多様性を重視し、多くの人が前向きになれる文章を目指しています。
編集者
ナゾロジー 編集部