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興味深いことに、セルフモニタリングを頻繁に行った参加者ほど、より大きな体重減少を達成していたことが明らかになりました。
「セルフモニタリングの頻度が多いほど体重減少が大きい」という結果は、他の研究グループによっても確認されており、日常的なセルフモニタリングの実践は、自分自身を見つめることが行動変容につながるという自己調整理論に基づいています。
自分の食事や運動量を見直すこと、そしてそれらが体重の変化とどのように関連しているのかを理解することで、自分の行動を客観的に評価し、改善へと導くことができるのです。
ダイエット中に、セルフモニタリングをきちんと行うことでダイエット効果を高められるのであれば、ダイエットプログラム終了後も食事記録を継続させることで、減量体重を長期間維持できる可能性があります。
そこで今回発表された研究では、ダイエットプログラム終了から9カ月間を減量体重の維持期間とし、この期間における食事記録の頻度と体重の変化との関係を詳しく調べました。
結果、以下のような関係が示されました。
ロス准教授らはこの結果に基づき、維持期間中ではセルフモニタリングの頻度が週7日だったり1、2日だったりとまばらに実行するよりも、週3~5回きちんと記録する一貫性のある行動をした方がより効果的であると考察しています。
従来のカロリーブックやグラム計を使用するなどの時間や手間のかかる方法ではなく、最近では、スマホアプリなどのデジタルツールを活用することで、食事記録をより簡単かつ効率的に行うことが可能になってきています。
しかし、これらの便利なツールを使用しても、セルフモニタリングを毎日行うには、未だに多少なりとも時間と手間が必要です。
今回の研究結果をもとに考えると、一度痩せた後に体重を維持したい人は最低でも週3回、もう少し痩せたい人は週5回以上、食事記録をし続けると効果的なようです。
せっかく努力して達成した減量です。ちょっと頑張って食事記録を付けるだけでリバウンドを回避できるなら、試してみる価値はあるでしょう。
参考文献
Study Finds Exactly How Often You Should Weigh Yourself for Best Results
https://www.mensjournal.com/news/how-often-weigh-yourself-study
元論文
Identification of minimum thresholds for dietary self-monitoring to promote weight-loss maintenance
https://doi.org/10.1002/oby.23994
Implementation of an Internet Weight Loss Program in a Worksite Setting
https://doi.org/10.1155/2016/9372515
ライター
ナゾロジー編集部
編集者
海沼 賢: ナゾロジーのディレクションを担当。大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。