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米ニューヨークに拠点を置く企業・Colorpik Incは、環境中から色を盗んで約1600万色を再現できる革新的なペン「Colorpik Pen」を開発しました。
服でもリンゴでも車でも好きな物にペンをかざすだけで色をコピーし、充填されたインクで紙上に再現することが可能です。
欲しい色は世界から取ってくる、まさに魔法の杖のようなペンとなるでしょう。
目次
趣味で絵を描く人は「この色うまく再現したいけど難しいなぁ」という経験があるのではないでしょうか?
私たちが普段使っている色鉛筆やフェルトペンは、たった一つの色に制限されています。
また絵の具を混ぜて色を作るにしても専門的なスキルが必要であり、初心者にとってはかなりハードルが高い技術です。
しかしColorpik Penは環境中の色をスキャンすることで、欲しい色を簡単に手に入れることができます。
Colorpik Penは長さ約20センチ、幅2〜3センチで、色をコピーするRGBカラーセンサーと色を作るためのベースカラーとなる4つのインクカートリッジを搭載しています。
持ち手の太い部分がカラーセンサーで、鳥のクチバシのように細く曲がった方がペン先です。
RGBカラーセンサーは物体の表面に向けてボタンを押すだけでスキャンが開始され、色のデータが取られます。
そのデータをもとにペン内のポンプでインクを混ぜて、正確に色を再現し、最大で1600万色を作ることが可能です。
インクは耐水性や耐光性に優れた高品質なものを採用しており、色の風化や劣化にとても強くなっています。
各カートリッジには距離にして48キロ分の長さが描けるインク量が搭載されているとのこと。
以下のようにカラーセンサーで色をコピーした後、反対側のキャップを外して、実際に色を描くことができます。
それからペン先は取り外し可能で、絵のタッチに合わせて6種類のペン先に変えることも可能。
鉛筆のような細い「ニードル型」、先端が丸まった「円形型」、ボールペンの質感を再現できる「ボールポイント型」のほか、「マーカー型」「万年筆型」「筆ペン型」に取り替えできます。
またユーザーが”赤・青・緑”など分かりきった色を使いたい場合は、同梱されている199色のカラーチャート(色見本)をスキャンします。
なので、何でもかんでも周囲の色を探し出さなくていいわけです。
さらに専用のColorpik APPを使えば、Colorpik Penをお手持ちのタブレット端末やノートPCとつないで、デジタル上で色を再現することも可能です。
驚くことに、このアプリを使うとユーザーはColorpik Penでスキャンした色をデータとして保存し、名前を付けて整理して、何度も同じ色を使うことができます。
そのため、絵を描くときに欲しい色を一々スキャンする必要はありません。
加えて、デジタル上ではスキャンした色の色調や濃淡を細かく調整することもできます。
タブレット上で絵を描くときは、Colorpik Penのキャップがタッチペン式になっているので、キャップを付けたまま押し当てるだけでOKです。
Colorpik Penはmicro-USBケーブルで素早く充電し、一回の充電で約15時間の使用が可能になっています。
Colorpik Penは現在、商品化に向けてKickstarter(キックスターター)でクラウドファンディングを行っている最中です。
目標金額に達した場合のみ、ファンディングが成立します。(期間は2023年10月28日まで)
資金提供はいくらからでも可能ですが、149米ドル(約2万1000円)から支援者に対するリワード(サービスやプロダクト、特典などの付与)が発生します。
149米ドルでは、Colorpik Pen本体×1、説明書となるクイックスタートガイド×1、カラーインクセット4色×3、充電ケーブル×1、ペン先4種、カラーチャート199色×1のVIP Specialセットとなります。
また値段が上がるごとにセット内容も変わるとのこと。
商品化された際の小売価格は298米ドル(約4万3000円)を予定しているという。
詳しくはこちら(Kickstarter)をご参照ください。
Colorpik Penさえあれば、世界の豊かな色彩を誰でも簡単に操れるようになります。
少々お値段は張りますが、絵を描く趣味やデザインを勉強している方は、一本持っておいて損はないかもしれません。
参考文献
Colorpik Pen draws from its surroundings to draw in 16 million colors