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こちらは、金星の移動していく様子のイメージです。
これは実際のすばるの写真に、別撮りした金星の写真を合成したものです。
この記事を書いている4月9日に撮影をした、実際の写真がこちら。
かなり近くまできているのがわかります。
金星とすばるがもっとも接近するのは11日。このとき、すばるは金星から2度ほど離れたところに位置しています。
観測するのに最適な時刻は、19時30分頃。
地球の内側を公転する金星は、日の出前(明けの明星)か日没後(宵の明星)に見えたらすぐに沈んでしまい、夜中に見ることはできません。暗くなってきたら観測をはじめ、沈むまでが観測時間となります。
とはいえ、「19時30分頃」は、金星としては夜遅くまで見える方です。
もっとも高度が上がった「東方最大離角」になるのが6月はじめなので、現在の金星は日々高度を上げて観測できる時間が長くなっている最中です。
4月11日19時30分の金星の高度は20°です。これは周囲に建物があっても観測可能な高さなので、この時刻に観測してみるのがオススメです。
ひらけたところに住んでいる方なら、金星は20時頃まで見えるでしょう。
また、この日の月は夜遅くに昇ってくるので月明かりに邪魔されることもありません。
さらに、春は天気が悪い日が多いにもかかわらず、天気予報によると、10〜11日は晴れのところが多いですね。
以上のことから、観測条件はかなり良いといえます。
ただし、金星もすばるも肉眼で見えるものの、すばるは小さな星の集合体。何個見えるかが視力検査に使われていたという話があるくらいなので、見えにくいです。
安価で低倍率なもので問題ないので、双眼鏡で見てみてください。ちょっと感動する光景を楽しめます。
前回は2020年の4月2日頃、同様に金星とすばるの接近が見られました。
このときは8年ぶりという話でしたが、今回は3年ぶりとなります。
2020年の接近のときに撮影した、金星とすばるです。
同じような光景が見えるのではないでしょうか。
イラストのモチーフにもなるように、細い三日月と星の接近は美しく、人気の天文現象ですよね。
4月22日に月齢1.9の非常に細い三日月とすばるが近くに見られます。
月が早く沈んでしまうのと、日が長くなってきているので、日没後暗くなってきたらすぐ観測がおすすめです。
観測時刻としては19時頃がベストですが、そのときの高度は17°ほど。観測条件は金星とすばるの接近よりもシビアです。
ただ、近くに出ている金星と細い三日月、すばると、揃って写真撮影をしたらいいものが撮れるかもしれません。
ギリシャ神話では、プレアデス星団(すばる)は月の女神アルテミスに仕える7姉妹です。その可愛らしさに惹かれた狩人のオリオンが彼女たちを追いかけたので鳩になって逃げ、ついには星になった姿と言われています。
なので、三日月とすばるの共演は、女神アルテミスと7姉妹ということで、神話の設定そのままになりますね。
そんな月の女神アルテミスは、狩人で処女神という若くて凛々しいイメージがあります。
対して金星をつかさどる愛と美の女神ヴィーナスは、成熟したセクシーな女性のイメージです。
そんな設定を想像しながら観測するのも楽しいかもしれません。
さて、どちらの美女との共演が好みですか?
参考文献
ASTROGUIDE 星空年鑑2023 https://www.amazon.co.jp/dp/4048997122 国立天文台 今日のほしぞら https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/skymap.cgi tenki.jp https://tenki.jp/