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その結果、遺伝的に予測される血中カフェイン濃度が高い人ほど、肥満度(BMI)および体脂肪率が低いことが判明しました。
さらに、それらの人々は2型糖尿病のリスクも有意に低いことが示されたのです。
そこでチームは、カフェインが2型糖尿病のリスクを低減させる効果が、肥満度の低さによってどれだけ説明できるかを分析。
すると、リスク低減効果の43%が肥満度の低さによってもたらされることが明らかになったのです。
要するに、血中カフェイン濃度の高さが肥満を抑え、生活習慣を改善し、それが結果として2型糖尿病の予防につながっていると考えられます。
反対に、血中カフェイン濃度の高さと心血管疾患(心房細動、心不全、脳卒中など)との間に関連性は見られませんでした。
よって、カフェインに心血管疾患の発症リスクを抑える効果はないと思われます。
しかしこの結果を聞いて、早速、コーヒーの飲量を増やすのはまだ早いかもしれません。
チームは、今回の研究には2つの遺伝子のみを指標にしたこと、ヨーロッパ系の人々しか対象にしていないことなど、いくつか限界があると認めています。
研究主任のディペンダー・ギル(Dipender Gill)氏は「私たちの結果は、カフェインが肥満と糖尿病リスクに及ぼす潜在的な予防効果について重要な示唆を与えるものですが、各人がこれを日々の食生活に取り入れる前に、さらなる臨床試験が必要である」と述べています。
というのも、カフェインが体に及ぼす影響はすべてがポジティブなものではないからです。
たとえば、カフェインを過剰に摂取すると、中枢神経系が過剰に刺激され、めまいや体の震え、心拍数の増加、不眠症が起こります。
また胃酸を過剰に分泌してしまうので、胃へのストレスが高まったり、下痢や吐き気、嘔吐をもよおす恐れもあります。
反対にメリットとしては、血管を拡張することで血流を促す作用、老廃物の排出を促す利尿作用、眠気や疲労感を抑制する覚醒・興奮作用などがあります。
それからカフェインには自律神経を活性化して食欲を抑え、脂肪の燃焼を助ける働きがあるとも言われています。
これが肥満度の低さにつながる理由かもしれません。
こうしたメリットとデメリットのバランスを踏まえた上で、適量のカフェインを摂取することが重要になるでしょう。
特に今回の研究は個々人の持つ遺伝子変異も関係するため、コーヒーが苦手という人が無理してコーヒーを飲んでも健康増進にはつながらない可能性があるので、注意しましょう。
参考文献
Caffeine in Your Blood Could Affect Body Fat And Diabetes Risk, Study Finds https://www.sciencealert.com/caffeine-in-your-blood-could-affect-body-fat-and-diabetes-risk-study-finds High blood caffeine levels may reduce body weight and type 2 diabetes risk https://www.imperial.ac.uk/news/243716/high-blood-caffeine-levels-reduce-body/元論文
Appraisal of the causal effect of plasma caffeine on adiposity, type 2 diabetes, and cardiovascular disease: two sample mendelian randomisation study https://bmjmedicine.bmj.com/content/2/1/e000335.info