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いくらか成長して器用になったとしても、自分で物事を行ったり行動範囲が広がったりすることで、さらにやけどしやすくなります。
そのため親が、子供のやけどを負いやすいケースを熟知し、事前に対策したり教育したりすることで、深刻なやけどを減らすことはとても大切です。
では、子供たちはいったいどんな原因でやけどを負っているのでしょうか?
レディー氏は子供のやけどに関して親たちから相談を受けてきましたが、その原因の多くがインスタントラーメンなどの即席麺であることに気づきました。
そこで彼は、子供のやけどの原因のうち、即席麺が占める割合を調査することにしました。
調査に用いられたのは、2010年から2020年の間にシカゴ大学熱傷センターに入院した小児患者(18歳未満)のデータです。
790件の小児熱傷(やけど)を分析した結果、そのうちの245件が即席麺によるものだと判明しました。
なんと子供のやけどの31%が即席麺によって生じていたのです。
しかも、これら即席麺によるやけどの約40%は、子供が1人でいたときに負ったものでした。
さらにこの結果は入院するほどの事例を集めたものなので、実際はもっと多くの子供たちが即席麺を食べるときにやけどしていると考えられます
でんぷん質を含むスープのやけどは、他の種類のやけどよりもやや軽傷で済みますが、それでもアツアツの麺が子供の薄い皮膚に覆いかぶさることで深刻化することがあるようです。
アメリカでは毎年10万人もの子供たちが食べ物や飲み物でやけどを負っていますが、その大部分は、大人気フードである即席麺だったのです。
アメリカを含む多くの国では、即席麺を電子レンジで調理するため、レンジから取り出す際に不注意でこぼしてしまうのでしょう。
日本では沸かした熱湯をカップに注いで調理するため、熱湯をこぼしたりするケースも多いはず。
またほとんどのカップラーメンの底の面積は小さく、少し力が加わるだけで簡単にひっくり返ってしまいます。
即席麺は子供たちも大好きで忙しい親の味方ですが、やけど跡を残さないためにも、このリスクは見過ごせません。
では親たちは、即席麺による子供のやけどをどのように減らせるでしょうか?
研究チームは、「ポットのお湯の上限を50℃に設定する」「即席麺の調理は親が行い、冷めるまで子供に渡さない」「膝の上ではなくテーブルで食べるよう子供に教える」ことが、やけどリスクを減らすのに役立つと提案しています。
自分で何でもやりたい盛りの子供は、「自分で作りたい」と言うかもしれませんが、即席麺に関しては特に注意したほうがよさそうです。
参考文献
Study shows instant noodles major cause of childhood scald injuries https://www.uchicagomedicine.org/forefront/research-and-discoveries-articles/pediatric-burn-study元論文
Pediatric instant noodle burns: A ten-year single center retrospective study https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0305417923000050